ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

火の中をくぐる新しい創造

 

 「主よ。なんと幸いなことでしょう。あなたに、戒められ、あなたの御教えを教えられる、その人は。わざわいの日に、あなたがその人に平安を賜るからです。

 その間に、悪者のためには穴が掘られます。」(詩篇94:12,13)

 

 人には一度死ぬことと死後に裁きを受けることが定まっています。死ぬことはわかっているが、死後の裁きについてはわからない、と思う人もいるでしょう。

 

 創造主であられ永遠に生きておられる主は、主によって保たれているこの世界を無に帰される日を定めておられるようです。無から天地万物を造られたのが神ならば、それを無に帰されるのも神です。

 

 神は、神に反逆し、神のひとり子に敵対する堕天使(悪魔)を罪に定め、神のひとり子キリスト・イエスによって裁かれました。キリストの十字架は、罪の呪いを打ち砕き、悪魔のもたらした死の力を踏み砕いたのです。

 

 神と戦う悪魔が滅ぼされる時は、定まっています。その滅びの前に、神は、悔い改めて神のひとり子キリスト・イエスの主権の下に入る者たちを救うために、世を保っておられます。

 

 神の御子イエス・キリストは、被造物に現わされた神の愛です。キリストの血が罪をきよめ、死から復活されたキリストの生かす御霊が、新しい創造を施されます。

 神は、滅びの世から、永遠に生きる新しい人を創造されるのです。死からいのちを創造されます。死者に永遠のいのちを与えられるのです。

 

 キリストの御霊によって新しく生まれた者は、神の子どもです。罪の認められない新しい人です。神のひとり子キリスト・イエスの兄弟です。

 

 神は、肉で生まれた人を、御霊で生まれる新しい人に造り変えられます。この世のものではありません。この世の生き方で生きる古い人ではなく、天の御国の生き方で生きる新しい人を創造されます。

 

 この世の知恵や知識では到底及ぶことのできない、神の御教えです。天上のことは、天上の人から学ばなければ、知り得ないものです。

 

 天から神のひとり子キリスト・イエスが遣わされ、人の思いの覆いを取り除き、父なる神について、天の御国について、永遠のいのちについて教えてくださいました。今まで、聞いたことのない教えです。

 多くの人は、この新しい教えを悟ることなく、世のものが良いと言って、天からのものを退けました。

 

 しかし、イエス・キリストを信じる者たちは、イエスの教えに真理があると思い、イエスに従いました。

 イエスに教えられる人は、幸いです。イエスに戒められる人は、幸いです。なぜなら、イエスの戒めと教えが、災いの日にその人を守り、滅びの苦難から救い出してくださるからです。

 

 イエスが死から復活し天に上られると、天からもうひとりの助け主、真理の御霊が遣わされました。イエスの戒めと教えは、この御霊によって、イエス・キリストを信じる者の心に書き記されます。

 

 真理の御霊は、生かす御霊となって、イエス・キリストを信じる者の霊のうちに住まわれます。神の御子イエス・キリストの御霊が、その人のうちに住んで、新しい人に造り変えていかれるのです。

 

 御霊の導きは、新しい人に造り変えて、神の子どもとするためです。永遠のいのちを得させるためです。御霊の新しい創造を受ける人の肉は破れ、人はその痛みに苦しみますが、その苦しみと痛みは、滅びの世から救い出されるためです。世の罪からきよめられ、神の裁きが過ぎ越されるためです。

 

 イエス・キリストを信じる聖徒たちが、御霊の導きで肉を殺され古い人がうめき、新しい人に生まれ変わる苦しみをくぐっている間に、神は、悪者のためには彼らの死を宣告する墓を設けておられます。

 肉が破られてボロボロの聖徒が死の谷を体験しているとき、悪者たちは、彼らを嘲笑い、肉の愉しみにふけっていました。

 しかし、生まれつきのままの肉の人には、滅びと死が用意されています。そして、神に懲らしめられうめいた御霊の人には、永遠の平安が用意されています。

 

 「わたしは、愛する者を叱ったり、懲らしめたりする。だから、熱心になって、悔い改めなさい。」(黙示録3:19)

 

 「わが子よ。主の懲らしめをないがしろにするな。その叱責をいとうな。父が可愛がる子を叱るように、主は愛する者を叱る。」(箴言3:11,12)

 

 日本刀の原料の鋼(はがね)は、砂鉄を精錬して作るそうです。炉(火床)の中に、材料の砂鉄と木炭を入れて、鞴(ふいご)と呼ばれる風を送る装置を用いて燃焼させて、精錬するようです。

 日本刀は、鋼の「水減し」(選別)、「折り返し鍛錬」(精錬)、「焼き入れ」(刀の形に整える)という工程を経て出来ているそうです。

 

 神が、肉なる者のうちに生かす御霊を住まわせて、新しい人に造り変えられるのに、似ているように思います。

 砂鉄の古い肉なる人が、天から遣わされた真理の御霊(生かす御霊)によって新しく生まれ、御霊は、試みの火によって肉の性質を打ち砕いて悪いものを選別して取り除き、何度も何度も悔い改めの時を過ごさせて、キリストに似た天上の性質のかたちを造っていかれます。

 

 砂鉄の人の古い性質は生かす御霊によって取り除かれ、すぐれた日本刀(価値あるもの)に造り変えられるのです。御霊のわざです。

 

 火は、性質を変えます。価値のない古い性質のものを取り除き、永遠に価値のある新しい性質のものを造り出します。

 神の御子イエス・キリストによって御救いの約束を受けた者が、生かす御霊を受けることで、神の懲らしめの火をくぐって何度も試され、信仰を堅固な者に造り変えられます。

 

 新しい創造は、天の御国に入る者に賜った、神の御恵みです。神の御恵みの、生かす御霊による新しい創造は、十字架の主イエスによって受けた神の子どもとされる特権を、神の子どもとされる保証に変えてくださいます。

 

 火の中をくぐって造り変えられた新しい人は、生かす御霊によって保証された、天の御国に入る神の子どもとされるのです。