ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

すべてを見極めた神の導き

 

 「わたしは、わたしへの恐れをあなたの先に遣わし、あなたがそこに入って行く民のすべてを掻き乱し、あなたのすべての敵があなたに背を見せるようにしよう。わたしは、また、くまばちをあなたの先に遣わそう。これが、ヒビ人、カナン人、ヘテ人を、あなたの前から追い払おう。

 しかし、わたしは彼らを一年のうちに、あなたの前から追い払うのではない。土地が荒れ果て、野の獣が増して、あなたが害することのないためである。

 あなたが増え広がって、この地を相続地とするようになるまで、わたしは徐々に彼らをあなたの前から追い払おう。

 わたしは、あなたの領土を、葦の海からペリシテ人の海に至るまで、また、荒野からユーフラテス川に至るまでとする。それはその地に住んでいる者たちをわたしがあなたの手に渡し、あなたが彼らをあなたの前から追い払うからである。

 あなたは、彼らや、彼らの神々と契約を結んではならない。彼らは、あなたの国に住んではならない。彼らがあなたに、わたしに対する罪を犯させることのないためである。それがあなたにとって罠となるので、あなたが彼らの神々に仕えるかも知れないからである。」(出エジプト23:27-33)

 

 主は仰せられました。

 「見よ。わたしは、使いをあなたの前に遣わし、あなたを道で守らせ、わたしが備えた所にあなたを導いて行かせよう。

 あなたは、その者に心を留め、御声に聞き従いなさい。決して、その者にそむいてはならない。わたしの名がその者のうちにあるので、その者はあなたがたの背きの罪を赦さないからである。

 しかし、もし御声に確かに聞き従い、わたしが告げることをことごとく行なうなら、わたしはあなたの敵には敵となり、あなたの仇には仇となろう。

 わたしの使いがあなたの前に行き、あなたをエモリ人、ヘテ人、ぺリジ人、カナン人、ヒビ人、エブス人のところに導き行くとき、わたしは彼らを消し去ろう。 

 あなたは彼らの神々を拝んではならない。仕えてはならない。また、彼らの風習にならってはならない。これらを徹底的に打ち壊し、その石の柱を粉々に打ち砕かなければならない。

 あなたがたの神、主に仕えなさい。主はあなたのパンと水を祝福してくださる。わたしはあなたの間から病気を除き去ろう。

 あなたの国のうちには流産する者も、不妊の者もいなくなり、わたしはあなたの日数を満たそう。」(出エジプト23:20-26)

 

 神はイスラエルを、奴隷の家エジプトから連れ出し、先祖アブラハム、イサク、ヤコブに与えられ、彼らの眠るカナンの地へ導き上られます。

 

 イスラエルは荒野を通って、カナンの地に向かっています。神は、かつて、彼らの父祖アブラハムに、エジプト川から、ユーフラテス川まで。ケニ人、ケナズ人、カデモニ人、ヘテ人、ペリジ人、レファイム人、エモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人を与えると約束されました。(創世記15:18-21)

 

 神はアブラハムに、「あなたの妻サラのひとり子イサクから出る者が、あなたの子孫と呼ばれる。」と仰せられました。

 イサクの妻リベカは双子の男の子を身ごもりました。神は、母リベカの胎にいるとき、「兄は弟に仕える。」と告げられ、兄エサウを退け、弟ヤコブを選ばれました。そして神は、イサクから出たヤコブを「アブラハムの子孫」と呼ばれるのです。

 

 アブラハムには二人の妻と一人のそばめと八人の息子があり、多くの血肉の子孫がいますが、神がアブラハムの信仰の子孫として立てられたのは、イサクの子ヤコブの子孫(イスラエル)だけです。イスラエルは、アブラハムの信仰の子孫です。神がアブラハムに与えられた契約と祝福を受け継ぐために、アブラハムの神と契約を結んでアブラハムの神に仕える子孫です。

 

 アブラハムの血を引くほかの血肉の子孫は血肉の子孫であって、神の契約と祝福を相続する信仰の子孫ではありません。それゆえ、彼らはアブラハムの神、生ける全能の神に仕える民族ではありません。

 アブラハムの子孫は、アブラハム、イサク、ヤコブの血肉の子孫であり、アブラハム、イサク、ヤコブと契約を結ばれた天の神を信仰して仕える「神の国民イスラエル」です。

 イスラエルは、アブラハムの約束の地、すなわち、イスラエルの先祖アブラハム、イサク、ヤコブが神の約束の成就を夢見て眠っているカナンの地を相続地として受け、世界の祝福の基となる救い主(主キリスト)を生む神の民、また、神の約束をことごとく成就して全世界を平和に治められるイスラエルの王(神の御子キリスト・イエス)の国民なのです。

 

 神は荒野でモーセに仰せられました。

 神がイスラエルのために備えられたカナンの地(現イスラエル)に向かうイスラエルの進むその前に神御自身が使いを遣わして、その道を守り、カナンの地に導いて行こう、と。

 

 神は、モーセはカナンの地を見るが、そこに入ることはできない、と決めておられました。神の中には、イスラエルをカナンの地に導き入れるための使いの者(ヨシュア)がいました。

 

 イスラエルは、使いの者(ヨシュア)に権威を与えられた神に心を留め、ヨシュアが語る神のことばに聞き従わなければならない、と仰せられました。イスラエルは、その者に逆らってはならない。神の名がその者(ヨシュア)のうちにあるので、彼に逆らうことは神に逆らうことである。もし、イスラエルが、彼を恐れ、彼が語る神のことばに聞き従い、神の告げることをことごとく行なうなら、神は、イスラエルの敵には敵となり、イスラエルの仇には仇となろう、と約束されました。

 

 ヨシュアがイスラエルの前を行き、イスラエルをエモリ人、ヘテ人、ペリジ人、カナン人、ヒビ人、エブス人のところに導き行くときには、神がともにいて彼らを消し去ると約束されました。神がイスラエルとともに戦い、神が与えると約束されたカナンの地から、そこに住む先住民を消し去ると言われたのです。そして、カナンの地をイスラエルの相続地とされるのです。

 

 イスラエルがカナンの地に入ったなら、その土地の神々を打ち砕き、それらの神々を拝んだり、その土地にならって仕えてはならない、と命じられました。ただイスラエルをエジプトから連れ出され、先祖の地カナンに導き上られたイスラエルの神、主に仕えるように、命じられました。

 

 そうすれば、神が食物も水も祝福して、イスラエルを健やかにし、イスラエルから病気も、不妊も、流産もなくなり、寿命を延ばしてあげよう、と言われました。

 

 あなたがた(イスラエル)を先祖の地カナンに導き、あなたがたに所有させる、と仰せられたイスラエルの神、主は、どのように複数の強い民族が暮らしているカナンの地をイスラエルの所有とされるのでしょうか。

 

 イスラエルがカナンに入るより先に、あの大国エジプトからイスラエルを連れ出された偉大なる神、イスラエルとともにおられる全能の神が、カナンの地に住む住民のうちに、エジプトを弱いものとされた偉大な神に怯える心を与え、震えおののかせて掻き乱し、イスラエルと戦う気力を奪われました。そして、彼らはイスラエルの前から逃げ出すのです。

 また、神は、くまばちを送ってヒビ人、カナン人、ヘテ人を、追い払うと言われました。

 

 イスラエルは、神が御自身のために造られた民です。イスラエルは、イスラエルの神、主の聖なる民です。主は、地の面のすべての国々の民のうちから、イスラエルを選んで御自分の宝の民とされました。(申命記7:6)主がイスラエルの先祖たちに誓われた誓いを守られたから、また、主がイスラエルを愛されたから、神はイスラエルとともにおられるのです。

 

 エモリ人の咎が満ち、カナンの住民は神の御前で悪いものとなっていました。

 カナンの地を所有させると誓われた主は、カナンのすべての国々の民を滅ぼし尽くし彼らから取り上げて、御自分の民イスラエルにお与えになるのです。

 

 モーセはイスラエルに言いました。

 「あなたは、あなたの神、主があなたに与えるすべての国々の民を滅ぼし尽くす。彼らを憐れんではならない。また、彼らの神々に仕えてはならない。それがあなたへの罠となるからだ。

 あなたが心のうちで、『これらの異邦の民は私よりも多い。どうして彼らを追い払うことができよう。』と言うことがあれば、彼らを恐れてはならない。あなたの神、主がエジプトの王に、また全エジプトにされたことをよく覚えていなければならない。

 あなたが自分の目で見たあの大きな試みと、しるしと、不思議と、力強い御手と、伸べられた腕、これをもって、あなたの神、主は、あなたを連れ出された。あなたの恐れているすべての国々の民に対しても、あなたの神、主が同じようにされる。

 あなたの神、主はまた、くまばち(疫病?)を彼らのうちに送り、生き残っている者たちや隠れている者たちを、あなたの前から滅ぼされる。

 彼らの前でおののいてはならない。あなたの神、主、大いなる恐るべき神が、あなたのうちにおられるから。

 あなたの神、主は、これらの国々を徐々にあなたの前から追い払われる。あなたは彼らをすぐに絶ち滅ぼすことはできない。野の獣が増してあなたを襲うことがないためである。

 あなたの神、主が、彼らをあなたに渡し、彼らを大いに掻き乱し、ついに、彼らを根絶やしにされる。また彼らの王たちをあなたの手に渡される。あなたは彼らの名を天の下から消し去ろう。だれひとりとして、あなたの前に立ちはだかる者はなく、ついに、あなたは彼らを根絶やしにする。」(申命記7:16-24)

 

 神がともに行き、カナンの地をイスラエルの相続地とされます。しかし、一年のうち、すぐに絶ち滅ぼすのではありません。畑を耕す者がいなくなって土地が荒れ果て、野の獣が増して、イスラエルを襲うことがないためです。また、イスラエルの数が増し、増え広がって、十二支族がそれぞれ相続地を得るまで、神は、徐々に彼らを、イスラエルの前から追い払って行かれるのです。

 

 イスラエルをカナンの地に導き入れたヨシュアが亡くなると、神は、カナンの地の残りの国民を、戦いを知らない次の世代のイスラエルに戦いを教え知らせるために残されました。また、彼らの先祖(カナンで戦った先祖)たちが主の道を守って歩んだように、彼らもそれを守って歩むかどうか、残した国民によってイスラエルを試みるためでした。

 

 神の導きは、イスラエルの心の弱さも、危険も見極めた上で、綿密な計画と的確な指示とイスラエルへの配慮をもって事を進めて行かれました。 

 

 同じ神が、私たちひとりひとりの弱さを知り、先にある危険も見極めた上で、永遠のいのちを得させるために導いておられるのです。