イエス・キリストの信仰によって、私たちも、信仰によるアブラハムの子孫です。アブラハムの子孫イスラエルとともに、神の約束のものを受け継ぐ恵みにあずかりました。
アブラハムは「信仰の父」と呼ばれています。アブラハムの信仰によって、御救いの計画が始まり、アブラハムの信仰を受け継ぐ子孫によって、神のみわざが成就します。
神を信じる者がいなければ、この地上に、神の祝福を見ることができません。目に見えない神と繋がるものは、信仰です。
「信仰がなくては、神に喜ばれません。神に近づく者は、神がおられることと、神を求める者には報いてくださる方であることとを、信じなければならないのです。」(へブル11:6)
「信仰によって、エノクは死を見ることのないように移されました。移される前に、彼は神に喜ばれていることが、あかしされていました。
信仰によって、ノアは、まだ見ていない事柄について神から警告を受けたとき、恐れかしこんで、その家族の救いのために箱舟を造り、その箱舟によって、世を罪に定め、信仰による義を相続する者となりました。」(へブル11:5,7)
エノクの信仰は、エノクを義とし、エノクを天に移しました。
ノアの信仰は、家族の救いのために箱舟を造り、その箱舟によって滅びから救われ、世が滅ぼされるにふさわしい罪の世であることを明らかにしました。また、信仰による義を相続する者となりました。
神は、エノクの信仰によって、天の故郷を表わされました。
神は、ノアの信仰によって、罪による滅びと信仰による救いを表わされ、ノアは生きたまま天に移されたエノクのように、信仰による義を相続する者となりました。
「信仰によって、アブラハムは、相続財産として受け取るべき地に出て行けとの召しを受けたとき、これに従い、どこに行くのかを知らないで、出て行きました。
信仰によって、アブラハムは約束された地(カナン)に他国人のようにして住み、同じ約束をともに相続するイサクやヤコブともに天幕生活をしました。
アブラハムは、堅い基礎の上に建てられた都を待ち望んでいたからです。その都を設計し建設されたのは神です。」(へブル11:8-10)
ノアも、アブラハムも、エノクの信仰による義を相続する者です。エノクの信仰による義は、エノク自身を救いました。ノアの信仰による義は、ノアの家族を救いました。
しかし、アブラハムの信仰による義は、神の契約を受けて、同じ約束をともにする人々を救います。アブラハムの受けた神の契約を相続するすべての者が救われるのです。アブラハムは、アブラハムの信仰を受け継ぐ者らの父となります。
信仰による義を相続するアブラハムの信仰が、罪を取り除き、悪魔を滅ぼすアブラハムの子孫(イスラエルの王キリスト)を生み、神の御手を動かし、神の住まわれる都を地上に建てられます。
アブラハムから受け継いだ信仰による義は、ノアのように滅びの世から救い出され、エノクのように永遠の都に移されるのです。
アブラハムは、信仰によって、神の御計画を垣間見ています。アブラハムの子孫イスラエルの王ダビデのようです。
「新しい歌を主に歌え。全地よ。主に歌え。主に歌え。御名をほめたたえよ。日から日へと、御救いの良い知らせを告げよ。主の栄光を国々の中で語り告げよ。そのくすしいわざを、すべての国々の民の中で。
まことに主は大いなる方、大いに賛美されるべき方。すべての神々にまさって恐れられる方だ。
まことに、国々の民の神々はみな、むなしい。しかし主は天をお造りになった。尊厳と威光は御前にあり、力と光栄は主の聖所にある。
国々の民の諸族よ。主に献げよ。栄光と力を主に献げよ。御名の栄光を主に献げよ。献げ物を携えて、主の大庭に入れ。聖なる飾り物を着けて、主にひれ伏せ。
全地よ。主の御前に、おののけ。
国々の中で言え。
『主は王である。まことに、世界は堅く建てられ、揺らぐことはない。主は公正をもって国々の民をさばく。』
天は喜び、地は、こおどりし、海とそれに満ちているものは鳴りとどろけ。野とその中にあるものはみな、喜び勇め。そのとき、森の木々もみな、主の御前で、喜び歌おう。
確かに、主は来られる。確かに、地をさばくために来られる。主は、義をもって世界をさばき、その真実をもって国々の民をさばかれる。」(詩篇96)
ダビデは、アブラハムが待ち望んでいた、堅い基礎(揺るがない信仰イエス・キリスト)の上に建てられた都を見たのでしょう。ダビデは、後に現われるイスラエルの王キリストが治められる世界を見ていたようです。
アブラハムは、神のひとり子キリストが完成される神の国の信仰を持っていました。また、アブラハムの子孫は、その信仰を受け継ぎ、神の約束の実現を待ち望んでいるのです。
信仰の父アブラハムは、神の祝福を約束されています。
主は仰せられました。
「あなた(アブラハム)を祝福する者をわたし(神)は祝福し、あなたを呪う者をわたしは呪う。」(創世記12:3)
アブラハムの信仰を義とし、アブラハムと契約を結ばれた主は、「わたしは、あなたの子孫、アブラハムの子孫の神となる。」と約束されました。
アブラハムの子孫は、アブラハムの契約と祝福を相続しました。アブラハムの子孫は、アブラハムが神から祝福を受けたとき、アブラハムの中にいてともに祝福を受けました。
イエスは言われました。
「まことに、あなたがたに告げます。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたことです。」(マタイ25:40)
イエスの兄弟のユダヤ人にかけた憐れみを神は覚えられ、そのような憐れみ深い人々に祝福を用意しておられます。
「まことに、おまえたちに告げます。おまえたちが、この最も小さい者たちのひとりにしなかったのは、わたしにしなかったのです。」(へブル11:45)
イエスの同胞のユダヤ人を憎み嫌う人々は神に覚えられ、悪魔とその使いたちのために用意された永遠の火に入れられるというのです。
神の民を汚し、侮る者は、彼らの神を汚すことです。神は、それらの人々を永遠の刑罰に入れられます。また、神の民を憐れむ心正しい人々は、永遠のいのちに入る、と言われました。
イエスは、イエスを信じる異邦人にも祝福を約束しておられます。
「わたしの弟子だというので、この小さい者たちのひとりに、水一杯でも飲ませるなら、まことに、あなたがたに告げます。その人は決して報いに漏れることはありません。」(へブル10:42)
キリスト者にした良い行ないを神は覚え、神がその人に報いると約束されました。
イエスは、キリストの弟子に言われました。
「あなたがた(キリストを信じる信仰者)を受け入れる者は、わたし(あなたがたの主であるイエス・キリスト)を受け入れるのです。また、わたし(神の御子イエス・キリスト)を受け入れる者は、わたしを遣わした方(父なる神)を受け入れるのです。」(マタイ10:40)
神はイエス・キリストとともにおられ、イエス・キリストは信じる者(アブラハムの信仰の子孫)とともにおられるのです。
アブラハムの子孫を祝福する者をアブラハムの神は祝福され、アブラハムの子孫を呪う者をアブラハムの神は呪われます。アブラハムの神は、生ける神、創造主、救い主、裁き主であられる神です。
キリストは、正義をもって地をさばくために来られます。神の民として神が選ばれたユダヤ人を憎む者、嫌う者、迫害する者は、たとい、神の民に名を連ねている人であっても、神に宣告されます。
「わたしはあなたがたを全然知らない。不法をなす者ども。わたしから離れて行け。」(マタイ7:23)
「アブラハムの子孫を祝福する者を神は祝福され、アブラハムの子孫を呪う者を神は呪う。」これが、神がアブラハムにお与えになったアブラハムの祝福なのです。
すべてのものをさばくお方(神)は、イスラエルの神なのです。また、すべてのものをさばく王は、イスラエルの王(神の子羊キリスト・イエス)なのです。
イスラエルは、神が造られた神の民。
「救いはユダヤ人から出る。」このことは、唯一の生ける神が定められたことです。
神は、ユダヤ人に聖書を与え、ユダヤ人に罪の贖いの子羊イエスを遣わされて永遠に生きる救世主イエス・キリストを与えられました。
イスラエルは、まことの神に仕える祭司の国民です。神が立てられた神の祭司の国民を憎む者に、神への道は閉ざされます。