イスラエルが頼みにしているモーセが言いました。
「イスラエルよ。今、あなたの神(イスラエルの神)、主が、あなたに求めておられることは何か。それは、ただ、あなたの神、主を恐れ、主の(命じられる)すべての道に歩み、主を愛し、心を尽くし、精神を尽くしてあなたの神、主に仕え、あなた(イスラエル)の幸せのために、私(モーセ)が、きょう、あなた(イスラエル)に命じる主の命令と主の掟とを守ることである。
見よ。天ともろもろの天の天、地とそこにあるすべてのものは、あなたの神(イスラエルの神)、主のものである。
主はただあなた(イスラエル)の先祖たちを喜び、彼ら(アブラハム、イサク、ヤコブ)を愛された。そのため彼らの後の子孫(ユダヤ民族)、あなたがた(イスラエル)を、すべての国々の民のうちから選ばれた。今日あるとおりである。」(申命記10:12-15)
神は、アブラハムの契約と祝福、また、それを相続したイサクとヤコブの信仰を喜ばれ、彼らを愛されました。
天地万物を造られた全知全能の神、主は、アブラハムとともにおられ、アブラハムのひとり子イサクとともにおられ、アブラハムの契約と祝福を相続したヤコブ(イスラエル)とともにおられました。
主は、ヤコブのかたわらに立ち、仰せられました。
「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。わたし(主)はあなた(ヤコブ)が横たわっているこの地(カナンの地)を、あなた(ヤコブ)とあなたの子孫(ヤコブの十二人の息子を族長とする十二支族あるユダヤ民族)とに与える。
あなたの子孫(ユダヤ民族)は地の塵のように多くなり、あなた(イスラエル)は西、東、北、南へと広がり、地上のすべての民族は、あなた(ヤコブ)とあなたの子孫(イスラエル)によって祝福される。
見よ。わたし(神)はあなたとともにあり、あなたがどこへ行っても、あなたを守り、あなた(ヤコブの家族ユダヤ民族)をこの地(カナンの地すなわち現イスラエル)に連れ戻そう。わたし(神)は、あなたに約束したことを成し遂げるまで、決してあなた(ヤコブの子孫、ユダヤ民族)を捨てない。」(創世記28:13-15)
ユダヤ民族は、彼らの先祖(アブラハム、イサク、ヤコブ)ゆえに愛されたものであり、すべての国々のうちから神に選ばれた民族です。
神は、ヤコブの子孫ユダヤ民族を神の民イスラエルとされ、御自身をイスラエルの神と名乗られます。天地万物を造られた創造主が、イスラエル民族の神となられました。それは、ユダヤ人たちがイスラエル王国を築いた時代の話ではありません。今日あるとおりであり、天地が滅びるまで続く堅い約束なのです。
イスラエルの神と名乗られる全能の神は、永遠の昔からおられ、天地万物の存在の目的であり、また原因でもある方です。すべてのものは、この方(イスラエルの神)によって造られたからです。
神は、イスラエルを幸せにするために導かれます。神に仕えることがイスラエルの存在の目的であり、世の罪を取り除く神の子羊イエス(神のひとり子キリスト)を遣わされるためでした。
そして、神はイスラエルに遣わされた神の子羊イエス(神のひとり子キリスト)の血によって罪を取り除かれ、神の祭司の国民イスラエルが流した子羊の贖いの血によって、地上のすべての民族の罪が赦されて、イスラエルの神の御救いの御計画の中に招かれます。まさしく、イスラエルは、地上のすべての民族の祝福となったのです。なぜならば、イスラエルの神は、永遠のいのちを得させるいのちの主だからです。そして、イスラエルの神は、イスラエル民族に御救いの約束を与えておられます。
主は仰せられます。
「天ともろもろの天の天、地とそこにあるすべてのものは、あなたの神(イスラエルの神)、主のものである。」
天は一つではないようです。天ともろもろの天の天があるようです。
私たちが空を見上げると、雲一つない晴天の日もあれば、白い雲の浮かぶ日もあります。また、どんよりとした曇りの日もあれば、雨の降る日もあります。私たちが見ている大空、大気圏の上にあるのが第一の天です。
大気圏の向こうには漆黒の闇が広がっています。宇宙です。太陽系銀河の外にも数多くの銀河があってその闇は膨れ上がっています。
この闇に堕天使たちが生息しています。この闇(宇宙)は悪魔が働く第二の天です。
創世記1章に、創造の初めのことが書いてあります。
「初めに、神が天と地を創造した。地は形がなく、何もなかった。闇が大いなる水の上にあり、神の霊は水の上を動いていた。
そのとき、神が『光あれ。』と仰せられた。すると光ができた。」(創世記1:1-3)
闇と水があったようです。闇は、堕天使たちが落ちたところです。神が闇に天地万物を造られたことによって、堕天使たちも神が創造された天に属する者となったのです。
地球に大空の向こうの天があるように、星々にはそれぞれ天があります。そして、闇がすべての銀河をおおっており、闇は悪魔が権力を持つ第二の天です。
神は、この第二の天に天地万物を造られました。
ペテロは言います。
「天は古い昔からあり、地は神のことばによって水から出て、水によって成ったのであって、当時の世界(ノアの時代)は、その水により、洪水におおわれて滅びました。」(ペテロ第二3:5,6)
全き光の第三の天(絶対的支配者であられる全知全能の神の住まい)も、漆黒の闇の第二の天(闇の王者悪魔の住まい)も、天地万物が造られるよりもはるか昔から存在しており、闇の中に造られた地は、神のことばによって水から出て水によって成っていると、聖書にあります。。
ノアの時代に、地上は、地の源(地ができた)の水により、洪水におおわれて滅びました。水から出た地は、水によって滅びました。土の塵から取られた人が、死んで土に還るように、神に与えられた被造物はリセットされました。
スピリチュアルな人たちは、宇宙と繋がると言いますが、これはまことの天ではなく、悪魔と悪霊どもが働く第二の天です。
宇宙は漆黒の闇です。そこに、創造主はおられず、光もありません。宇宙に光を見つけても、それは創造主であられる神が「光あれ。」と命じて造られた光です。
第三の天は、全知全能の神が住まわれる光です。全き光であって、暗いところは少しもありません。
人間は誰も、この第三の天に上ることはできません。また、宇宙を飛び抜けて宇宙の外に出ようとしても、漆黒の闇の中を巡るだけです。
イエスは言われました。
「だれも天に上った者はいません。しかし天から下った者はいます。すなわち人の子です。」(ヨハネ3:13)
人の子は、神が人を救うために造られたキリストをさします。イエスはご自分のことを言われたのです。
イエスは、全き光である第三の天から来られた方です。イエスは、天地万物が創造される以前からおられた神のひとり子です。神のひとり子は、父なる神に造られた肉体を持つ人の子イエスの姿で、神の選びの民(祭司の国民)のところイスラエルに来られました。
全き光から来られた神の御子イエスは、光のことば(真理)を語られました。滅んでいる者を生かす神のことばです。第三の天の奥義(第三の天に入るための道、すなわち、いのちの道)を話されました。神が遣わされた神の御子イエスを信じ、御子のことばに聞き従うことです。
第三の天と神が造られた天との間には、第二の天があります。(第二の天の中に天地万物が創造されています。)それは、偽りの光で人々を惑わす天です。宗教が仰ぐ天です。第三の天に導き入れることのできない者たちが救いを語っている天です。
しかし、第三の天も、もろもろの天の天(第一の天も第ニの天も)も、地とそこにあるすべてのものは、全知全能の神であられる創造主、すなわち、神の御子イエス・キリストの父のものです。
第二の天の権力者が、第三の天の支配者よりも力があるわけではありません。すべてのものは、イスラエルをお選びになられたイスラエルの神(聖書をお与えになった神)のものです。
私たちは、第三の天から来られた神の御子キリスト・イエスに繋がる者です。
神の御子イエスの御父は、神の子羊イエスの十字架の死により地の神殿の垂れ幕を裂き、第三の天と地との間の道を開かれました。第二の天は破られました。闇は破られたのです。
「第三の天から下られた方自身(神のひとり子キリスト)が、すべてのものを満たすために、もろもろの天よりも高く上げられた方なのです。」(エペソ4:10)
死から復活されたキリスト・イエスは、第三の天に帰られて、信じる私たちにキリストの御霊を与えられました。真理の御霊は、私たちのうちに住まわれ、私たちを光の子に造り変えてくださいます。そして、永遠のいのちを得させて、第三の天まで引き上げてくださるのです。
「私たち(イエス・キリストを信じる者たち)のためには、もろもろの天を通られた偉大な大祭司である神の子イエスがおられるのですから、私たちの信仰の告白を堅く保とうではありませんか。」(へブル4:14)