ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

主の誓い

 

 「主は、御自分の契約をとこしえに覚えておられる。お命じになったみことばは千代にも及ぶ。

 その契約はアブラハムと結んだもの。イサクへの誓い。

 主はヤコブのためにそれをおきてとして立て、イスラエルに対する永遠の契約とされた。

 そのとき主は仰せられた。

 『わたし(神)があなたがたの相続地としてあなた(イスラエル)に、カナンの地を与える。』」(詩篇105:8-11)

 

 契約を結ばれたのは、神のほうからです。神がアブラハムを選び、アブラハムと契約を結ばれました。

 そして、神は、その契約はアブラハムと妻サラのひとり子イサクに与える、と誓われました。

 

 妻サラが夫アブラハムに言いました。

 「このはしため(サラの女奴隷ハガル)を、その子(アブラムの子イシュマエル)といっしょに追い出してください。このはしための子(イシュマエル)は、私の子(サラの子)イサクといっしょに跡取りになるべきではありません。」(創世記21:10)

 

 アブラハムは、イシュマエルも自分の子なので、非常に悩みました。

 

 「すると、神はアブラハムに仰せられた。『その少年(イシュマエル)と、あなたのはしため(イシュマエルの母ハガル)のことで、悩んではならない。サラがあなた(アブラハム)に言うことはみな、言うとおりに聞き入れなさい。イサクから出る者が、あなたの子孫と呼ばれるからだ。

 しかしはしための子も、わたし(神)は一つの国民としよう。彼(イシュマエル)もあなた(アブラム)の子だから。」(創世記21:12,13)

 

 神は、アブラハムにはっきりと約束されました。「イサクから出る者が、あなたの子孫(アブラハムの子孫)と呼ばれる。」と。

 「アブラハムの子孫」と神が呼ばれるのは、イサクの子孫であり、ヤコブの子孫なのです。

 

 それゆえ、神御自身がアブラハムの子孫と認められるヤコブの子孫、すなわちイスラエルが、アブラハムの契約と祝福を相続しているのです。

 

 サラが「イシュマエルを追い出してください。」と言ったとき、神は何と言われましたか。サラの言うとおりにしなさい、と仰せられたのです。彼(イシュマエル)は、神の御計画にはないからです。

 

 救世主と御救いの御計画は、アブラハムの子孫、イスラエルとともにあるのです。救いはユダヤ人から出る、と神は定めておられます。

 神は、イスラエルを選ばれました。神は、イスラエルとともにおられるのです。

 

 「われらの父アブラハムに誓われた誓いを覚えて、われら(ユダヤ民族)を敵の手から救い出し、われらの生涯のすべての日に、きよく、正しく、恐れなく、主の御前に仕えることを許される。」(ルカ2:73-75)

 

 私たちは、神のさばきが下される以前のノアの時代の人々のようです。神はノアを選んでおられました。しかし、世の人々はノアを嘲笑いました。

 神のさばきの御手が伸ばされるとき、イスラエルは神に救い出されることとなります。そして、聖なる契約により、イスラエルは聖なる神に仕える民に変えられるのです。

 

 ユダヤ人から生まれたイエス・キリストは、東方の賢者たちから何と呼ばれましたか。「ユダヤ人の王」と呼ばれたではありませんか。

 

 再び、来られる主イエス・キリストは何と呼ばれますか。「イスラエルの王」と呼ばれる方なのです。

 キリストはユダヤ人から生まれ、ユダヤ民族が仕えるイスラエルの王として再び来られるのです。

 

 主は、御自分の契約をとこしえに覚えておられます。神が誓われたことは、千代にも及ぶのです。

 

 新しい世の到来を待ち望んでいる人々にお伝えします。

 この新しい世の主権を神から与えられたイスラエルの王は、何と言われているのか、お知らせします。

 

 「万軍の主はこう仰せられる。『その日には(主イエス・キリストが治められる新しい世が立てられると)、外国語を話すあらゆる民のうちの十人が、ひとりのユダヤ人のすそを堅くつかみ、「私たちもあなたがた(ユダヤ人たち)といっしょに行きたい。神があなたとともにおられる、と聞いたからだ。」と言う。』(ゼカリヤ8:23)

 

 主は、今の世の終わりも、また新しい世の様子をもすでにご覧になっておられるのです。

 ユダヤ人を憎み滅ぼしたいと願った人たちはどこにいるのでしょうか。新しい世には、そのような人々はいないのです。ユダヤ人は神がともにおられる民であって、ユダヤ人とともに救いがあると知った人々は、なんと、ユダヤ人たちに恵みを請うのです。

 

 新しい世では、イスラエルの王イエス・キリストが救い主であることが知られています。

 人々は、主の恵みを請うために、万軍の主を求めて、エルサレムにやって来るのです。

 

 「多くの国々の民、(今の世の世界で力を持っていた)強い国々がエルサレムで万軍の主を尋ね求め、主の恵みを請う(主に嘆願する)ために来よう。」(ゼカリヤ8:22)

 

 神は、アブラハムに、ケニ人、ケナズ人、カデモニ人、ヘテ人、ぺリジ人、レファイム人、エモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人の住んでいたカナンの地をお与えになりました。

 

 「主は、その奇しいわざを記念とされた。主は情け深く、あわれみ深く、主を恐れる者に食べ物を与え、その契約をとこしえに覚えておられる。

 異邦の民(ケニ人、ケナズ人、カデモニ人、ヘテ人、ペリジ人、レファイム人、エモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人)のゆずりの地を、(神は)御自分の民(ユダヤ民族)に与え、彼らに、そのみわざの力を告げ知らせられた。」(詩篇111:4-6)

 

 神は、エモリ人の咎が満ちたとき、イスラエルをエジプトから連れ上り、カナンの地を異邦の民から勝ち取らせられました。(創世記15:16)

 カナンの地に住む異邦の民の暴虐が満ちたその時に、神は、イスラエルに知恵と力を与えて、アブラハムの子孫の相続地とされたのです。

 神の軍勢がイスラエルとともに戦ったからです。神は、万軍の主なのです。神は、誓った約束を果たされるお方なのです。

 

 今、ヨーロッパでは、反ユダヤ思想が増え広がっているようです。イエス・キリストを信じている国々で、ユダヤ人の敵が生まれています。

 イスラエルを憎み、ユダヤ人を憎む人々が世界中で増えることでしょう。これは、異邦人の時の完成における神の試験のようです。今ある状況を許しておられるのは、人々の心の中にあるものを調べるため、また、世界から嫌われるユダヤ人たちがそろそろ世の幻覚に気づき、ユダヤ人が本来あるべき姿を取り戻させるためのように思います。

 

 聖書に書かれた約束を一心に見つめ、神に期待し、神の民として神に仕えさせるためのように思います。神は、イスラエルにその記憶を呼びさましておられるようです。

 

 主の味方となる人々は、ユダヤ人が神に立ち返って神の民としての生き方を求めて神とともに歩む者となるように、執り成しましょう。

 

 主の誓いは、イスラエルを祝福することなのですから。世の人々はユダヤ人の命を狙いますが、神は、ユダヤ人を復活させて永遠に生きる者とされるお方です。

 

 異邦人の(救いの)時が完成すると、ユダヤ人の(救いの)時が始まります。

 

 「兄弟たち。私(パウロ)はあなたがた(異邦人の信者)に、ぜひこの奥義を知っていていただきたい。その奥義とは、イスラエル人の一部がかたくなになった(神の御子イエス・キリストをかたくなに否定する)のは異邦人の完成のなる時までであり、こうして、イスラエルはみな救われる、ということです。こう書かれているとおりです。

 『救う者(ふたりの証人)がシオンから出て、ヤコブ(イスラエル)から不敬虔を取り払う。

 これこそ、彼ら(イスラエル)に与えたわたし(神)の契約である。それは、わたし(神)が彼ら(ユダヤ民族)の罪を取り除く時である。』」(ローマ11:25-27)