イエスは、ユダヤ人の群衆にいわれました。
「自分のいのちの事で、何を食べようか何を飲もうかと心配したり、からだの事で何を着ようかと心配したりしてはいけません。いのちは食べ物より大切なもの、からだは着物より大切なものではありませんか。
空の鳥を見なさい。種まきもせず、刈り入れもしないのに、あなたがたの天の父が養っていて下さるのです。
あなたがたのうち誰が心配したからといって、自分のいのちを少しでも延ばす事が出来ますか。
何故、着物の事で心配するのですか。野の百合がどうして育つのかを思いなさい。働きもせず、紡ぎもしません。
信仰の薄い人たち。あなたがたは、鳥よりも優れたものではありませんか。
そういうわけですから、何を食べるか、何を飲むか、何を着るか、などと言って心配するのはやめなさい。
こういうものはみな、異邦人が切に求めているものです。しかし、あなたがたの天の父は、それがみなあなたがたに必要である事を知っておられます。
だから、神の国とその義をまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。
だから、明日のための心配は無用です。明日の事は明日が心配します。」
神の国とは、父なる神です。その義とは、贖いの子羊です。
天の父とキリスト・イエスへの信仰を生活の基盤として、主とともに生きるならば、魂の救いを得て、神の守りを受けるというのです。
ひとりの人が、永遠のいのちを得るためにする事をイエスに尋ねると、イエスはいわれました。
「もし、いのちに入りたいと思うなら、戒めを守りなさい。」
「どの戒めですか。」と彼は聞きました。すると、イエスは答えられました。
「殺してはならない。姦淫してはならない。盗んではならない。偽証してはならない。父と母を敬え。あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。」
多くの財産を持つその青年は、言いました。
「そのような事はみな、守っています。何がまだ欠けているのでしょうか。」
イエスはいわれました。
「もし、あなたが完全になりたいなら、帰って、あなたの持ち物を売り払って貧しい人達に与えなさい。そうすれば、あなたは天に宝を積む事になります。そのうえで、わたしについて来なさい。」
青年はこのことばを聞くと、悲しんで去って行きました。
イエスはいっておられます。
「自分の宝を地上に蓄えるのはやめなさい。そこでは虫とさびで傷物になり、また盗人が穴を開けて盗みます。
自分の宝は、天に蓄えなさい。そこでは、虫もさびもつかず、盗人が穴を開けて盗む事もありません。
あなたの宝のあるところに、あなたの心もあるからです。」
ひとりの律法の専門家が、イエスに尋ねました。
「先生。律法の中で、大切な戒めはどれですか。」
そこで、イエスは彼にいわれました。
「『心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ』これが、大切な第一の戒めです。
「『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ』という第二の戒めも、それと同じように大切です。律法全体と預言者とが、この二つの戒めにかかっているのです。」
イエスは、律法を完全に守り、ご自分の中に律法を完成されました。
神の戒めを守らなかったアダムの不義により、すべての人は罪に閉じ込められて、死ぬ者となりました。
律法を完成されたイエスの贖いの血により、イエスを信じる者は死から救い出され、永遠に生きる者となりました。
イエスはいわれます。
「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合うこと、これがわたしの戒めです。」
「もし兄弟が罪を犯したなら、彼を戒めなさい。そして、悔い改めれば、赦しなさい。
気ままな者を戒め、小心な者を励まし、弱い者を助け、すべての人に対して寛容でありなさい。
互いに励まし合い、互いに徳を高め合いなさい。
お互いの間で、いつも善を行うよう務めなさい。
主にあってあなたがたを指導し、訓戒している人々を認め、愛をもって深い尊敬を払いなさい。お互いの間に平和を保ちなさい。
悪はどんな悪でも避けなさい。」