ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

しもべの祈り

 

  神のしもべの完成形は、人の子イエスです。

 

  「アバ、父よ。あなたにおできにならないことはありません。どうぞ、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願うことではなく、あなたの御心のままを、なさってください。」

 

  苦しみの中で、取りのけて欲しいと思う苦しい状況に固執せず、神の御心を優先しました。自分の身を神に委ねたのです。自分に目を向けるのではなくて、主人である神を仰いでいました。

 

  しもべは、主人の一つ一つの動作や心の動きにも心を配り、主人の願うところを読み取り、主人の命令に忠実に仕える者です。

 

  イエスは、弟子達にいわれました。

 

  「あなたがたの誰かに、耕作か羊飼いをするしもべがいるとして、そのしもべが野良から帰って来た時、『さあ、さあ、ここに来て、食事をしなさい』としもべに言うでしょうか。かえって、『わたしの食事の用意をし、帯を締めて私の食事が済むまで給仕しなさい』と言わないでしょうか。

 

  しもべが言いつけられた事をしたからといって、そのしもべに感謝するでしょうか。あなたがたもその通りです。

 

  自分に言いつけられた事をみな、してしまったら、『私達は役に立たないしもべです。なすべき事をしただけです』と言いなさい。」

 

  イエスは神の御子なのに、父と子の関係の中に、主人としもべの立場を徹底させました。唯一無二のしもべです。何故なら、イエスは、主人である父の御心をよく知っており、主人の御心を自分の心とするしもべでした。

 

  それは、父に褒めてもらうことが動機ではなくて、父の御心がなるようにという本望でイエスは生きていたからです。イエスの求めていたのは、父の栄光でした。

 

  御使いのかしらミカエルは、モーセのからだについて、悪魔と論じ、言い争ったとき、あえて相手をののしり、さばくような事はせず、「主があなたを戒めてくださるように」と言いました。

 

  神に背を向け肉の欲のままに生きている夢見る者達が、肉体を汚し、権威ある者を軽んじ、栄えある者をそしっているのに、光の中にいるミカエルは、自分でさばくのではなくて、神にゆだねました。

 

  しもべの歩みをする者は、主人を目の前に置いています。主人を知り、主人に仕えます。主人以外の者に仕える事もなければ、自分自身の思いを優先する事もありません。

 

  「主はモーセに仰せられた。」「モーセは主が命じられた通りに行った」と、聖書に何度も出てきます。モーセもしもべとして、神に従いました。

 

  「主はノアに仰せられた。」「ノアは、すべて主が命じられた通りにした」と聖書にあります。

 

  神のわざは、神のことばを聞き、その神のことばに忠実に従う、このようなしもべ達によって、成し遂げられて来ました。

 

  神は、しもべに命じられるだけの主人ではなく、しもべの祈りに耳を傾けて、その祈りに答えてくださる良い羊飼いでもあるのです。

 

  終末の大きな戦が啓示された時、ダニエルは、三週間、ごちそうも食べず、肉も葡萄酒も口にせず、身に油も塗らないで、満三週間の喪に服しました。

 

  亜麻布の衣を着、金の帯を締めた主が現れ、ダニエルにいわれました。「恐れるな。ダニエル。あなたが心を定めて悟ろうとし、あなたの神の前でへりくだろうと決めたその初めの日から、あなたの言葉は聞かれているからだ。私が来たのは、あなたの言葉のためだ。」

 

  「終わりの日にあなたの民に起こる事を悟らせるために来たのだ。真理の書に書かれていることを、あなたに知らせよう。」

 

  しもべの祈りは神に受け入れられます。

 

  ソドムとゴモラの叫びは非常に大きく、また彼らの罪はきわめて重かった。ソドムとゴモラの叫びが天に届き、彼らの罪を確かめに御使いを送る主の前に立っていたアブラハムは、主に申し上げました。

 

  「あなたは本当に、正しい者を、悪い者と一緒に滅ぼし尽くされるのですか。もしや、その町の中に五十人の正しい者がいるかもしれません。本当に滅ぼしてしまわれるのですか。その中にいる五十人の正しい者のために、その町をお赦しにはならないのですか。

 

  正しい者を悪い者と一緒に殺し、そのため、正しい者と悪い者とが同じようになるという事を、あなたがなさるはずがありません。とても有り得ない事です。全世界を裁くお方は、公義を行うべきではありませんか。」

 

  主は答えられました。「もしソドムで、わたしが五十人の正しい者を町の中に見つけたら、その人達のために、その町全部を赦そう。」

 

  その後、アブラハムは、正しい者が五十人に満たない場合を想定して、数を下げて神と交渉し、「もしやそこに正しい者が十人見つかるかも知れません」と言いました。

 

  すると、主は仰せられました。「滅ぼすまい。その十人のために。」

 

  しかし、御使いの言葉を信じたアブラハムの甥のロトとその妻とふたりの娘だけが御使いに連れ出されて町の外に置かれ、逃げるように命じられました。そして、ロトが住んでいた低地の町々、ソドムとゴモラの上に、硫黄の火を天の主のところから降らせ、低地の全地方は滅んだのでした。

 

  ロトは、神のしもべアブラハムの執り成しによって救われたのでした。

 

  執り成す者の祈りは、しもべの祈りです。神は、しもべの祈りに耳を傾けられるのです。