ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

人の子

 

  ダニエル書7:13,14

  「私がまた、夜の幻を見ていると、

    見よ。人の子のような方が天の雲に乗って来られ、年を経た方のもとに進み、

    その前に導かれた。

    この方に、主権と光栄と国が与えられ、諸民、諸国、諸国語の者達がことごと

    く、彼に仕えることとなった。

    その主権は永遠の主権で、過ぎ去る事がなく、その国は滅びることがない。」

 

  現在の私達は、この幻が、キリスト・イエスのことであることがわかります。

 

  人の子のような方とは、人の子としてイスラエルに遣わされた、神の御子イエスをさします。

 

  イエスは、十字架で罪の生贄となった神の子羊の任務を果たし終えて、使徒達が見ている間に、雲に乗って父なる神のもとに帰られました。

 

  父なる神は、永遠の昔からおられる、年を経た方です。父なる神の以前には誰もいません。天地万物が生まれる前から、御子が生まれる前から、天使が生まれる前から、何ものも存在していない時から、永遠の昔からおられるいのちでした。

 

  いのちの根源であり、始めも終わりも無い永遠のお方です。「わたしはある」と名乗られ、自らが存在するお方であり、すべてのものの存在の目的と原因である方、存在の根源であり、はじめからあったいのちなのです。

 

  地上に遣わされた任務を滞りなく成し遂げた人の子、神の子羊イエスを祝福し、神は、子羊イエスに、主権と光栄と国を与えられました。

 

  それで、世の終わりが来ると、神は地上に子羊キリストの国を建てられるのです。子羊イエスはイスラエルの王となって、ユダヤ民族とキリストの民とともに、諸民、諸国、諸国語の者達、即ち世界を統べ治められるのです。

 

  子羊イエスの主権は、天地が滅びても堅く立ち、永遠の神の御国でも、神の子とされる贖われた人々や天使らを統べ治めるのです。

 

  子羊イエスは、神の御子だから主権を受けただけではなくて、父に従い、ご自分の民のために命を与え、神の子羊となったことの栄誉によるのです。

 

  子羊イエスは、民のために命を捨てた真の羊飼いです。神の羊を飼い、天使らを治めるのに、ふさわしいお方です。誰も、子羊イエスの主権に逆らう者はなく、疑う者もありません。

 

  「屠られた子羊は、力と富と知恵と勢いと誉れと栄光と賛美を受けるにふさわしいお方です」と、御使い達は、大声で告白します。

 

  そして、「御座におられる方と、子羊とに、賛美と誉れと栄光と力が永遠にあるように」と、すべてのものが賛美するのです。

 

  子羊イエスが十字架で流された贖いの血は、悪魔の力を破り、悪魔に捕らえられていた人々の魂を救い、永遠に生きる神の子としたのです。子羊イエスのわざは、永遠に讃えられます。

 

  ダニエルの時代には、まだ、神の子羊イエスは、地上に遣わされていません。十字架の贖いも復活もありません。

 

  ユダヤ人は、ここに書かれている「人の子のような方」が、メシアだと信じて、神が約束されたメシアを待ち望んで来ました。

 

  メシアは、ダビデ王の子孫として、ダビデの町ベツレヘムで生まれること、処女の女から生まれること、神の子羊であり、栄光の王、イスラエルの王であることが、他の預言者達によっても預言されていました。

 

  イエスがご自分をさして、「人の子」と呼んでいたのは、ご自分が年を経た方から任命を受けて遣わされた神の子羊メシアであることを、ユダヤ人に知らせていたのです。

 

  しかし、聖書の知識を持つ祭司や律法学者達が認めなかったことで、民衆は惑わされてしまいました。

 

  神は、エバをそそのかした蛇に「おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとに噛みつく」と仰せられました。

 

  神は、処女の胎に宿り、処女から生まれる神のひとり子イエスを地上に遣わすことをいわれていました。「人の子」とは、悪魔の頭を踏み砕く、女の子孫である神の子羊イエスなのです。

 

  イエスはダビデ王の子孫として生まれた、ユダヤ人です。この時、すでに、神はユダヤ民族を造ることも決めておられたようです。

 

  肉の欲求ではなく、神の霊によって、神の約束の子イサクは生まれました。イサクは、閉経後の90歳のサラの胎から生まれ出ました。

 

  イサクの祈りにより、不妊の妻リベカの胎に双子の男子が宿りました。神は、子が胎内にあるときに、母リベカにいわれました。「兄が弟に仕える。」

 

  神のことば通りに、弟ヤコブが神に選ばれて、父イサクに与えられたアブラハムの祝福と契約は、弟ヤコブ(「かかと」の意)が相続しました。

 

  ヤコブは、神にイスラエルと改名されました。ヤコブから生まれた12人の息子の子孫のすべてが、アブラハムの祝福と契約を相続する、イスラエル民族、即ちユダヤ民族となったのです。

 

  蛇(悪魔)は、彼(人の子)のかかと(ヤコブ、即ちイスラエル)、ユダヤ民族に噛みついて、神の契約を踏みにじりました。神の契約の「人の子」、神が天から遣わした神の子羊イエスは、ユダヤ民族によって十字架につけられ殺されたのです。

 

  この計画は、アダムとエバがエデンの園から追放される前に、立てられていたのです。

 

  キリストは、人として来られた、神の御子イエスです。

 

  「人の子」は、神の御子です。キリスト・イエスを信じる者は、キリストのうちにあって、永遠に生きる人の子なのです。人の子は、神の子となって、キリストとともに神の御国を相続するのです。