ダニエルが夢、頭に浮かんだ幻で見たものです。海から上がって来た四頭の獣のうちの一頭です。これは、地から起こる四人の王です。また、四つの国です。これは、終わりの時代に現れるものでした。
獅子のような獣が現れます。第一の獣です。
ダニエル書7:4に、こう書かれています。
「第一のものは獅子のようで、鷲の翼をつけていた。見ていると、その翼は抜き取られ、地から起こされ、人間のように日本の足で立たされて、人間の心が与えられた。」
15世紀に、イギリス人やフランス人が植民地活動として、アメリカ大陸を開発していました。また、オランダ人、スウェーデン人、スペイン人によっても植民地が築かれていました。当初の移民はカトリックでした。
16世紀に欧州でプロテスタント(新教徒)が出現し、宗教改革、宗教戦争が起こると、新天地を求めた新教徒のピューリタンがアメリカに入植しました。イギリス国教会の迫害を受けた非国教徒を含むピューリタンが信教の自由を求めて、メイフラワー号に乗り、アメリカに渡ったのです。
イギリス国教会はカトリック信仰の影響を残していました。王に従うイギリス国教会と聖書に基づいた信仰に立ち返るピューリタンに分裂しました。ピューリタンの中でも教会の内側にいて教会を変えようとする長老派と、純粋な聖書信仰を得ようとイギリス国教会を離れて新天地を求める分離派に分裂しました。分離派は、プロテスタント信仰を持ってアメリカに入植しました。彼らは、信仰を守るために、信仰を守り続けられる地として、アメリカへの危険な旅を選んだのです。
このことは、神から出ていました。鷲の翼がありました。出エジプト記19:4に「あなたがたは、わたしがエジプトにしたこと、また、あなたがたを鷲の翼に載せ、わたしのもとに連れて来たことを見た」と、神はモーセに言っておられます。ユダヤ人をエジプトから連れ出したことを、神は、ユダヤ人を鷲の翼に載せて連れ出した、と表現しておられるのです。この導きは、モーセやアロンや人から出たものではなく、神御自身によって発せられ神の御力によってなったことを言っておられるのです。
獅子(ユダ族の獅子イエス・キリストへの信仰)を、メイフラワー号に乗せて連れて来たのは、神の御腕でした。
神が用意された新天地に入ると、鷲の翼は抜き取られます。聖書に基づいた信仰に希望を持つプロテスタントでしたが、同乗した投資家達の助けを受けていた彼らは、彼らとともにいました。彼らは、先住民のカトリックやインディアンと敵対しながら勢力を伸ばしていきました。インディアン虐殺も行われました。
聖書信仰を土台に宗教的に規律ある生活をする理想の社会を目指していましたが、金銭を求める投資家達が裏で働いていました。イギリスの駐屯兵と衝突してアメリカ独立戦争が起きます。1776年にアメリカ独立宣言して、イギリスとの繋がりを断ち切って、独立国家としました。それは、プロテスタント的思想を土台とする近代民主主義の原点となります。自由と平等を理想とします。
南北戦争で、奴隷制は解放され、奴隷制が崩壊しました。その後、女性の自由と権利を求め男女平等を訴える社会運動など、人権を求める思想がアメリカから世界に広がりました。
神との契約を重んじ、キリスト信仰によって建て上げる理想の国は、人間の心を持って、人道主義を主張する国へと変わりました。
公立の学校にあった聖書のみことばの碑(日本の二宮金次郎像のように、アメリカの各校にありました)は取り壊され、聖書の授業もなくなりました。(日本でもかつては、道徳の授業がありました)アメリカ大統領は聖書に手を置いて宣誓しますが、その実、社会からは聖書信仰が排除されて、真実なクリスチャン達の痛みとなっています。
多くのイスラム教徒の移住によって、宗教の自由のために、キリスト教的なものは教育からも社会からも排除されているのです。
人間の心を与えられた獅子の国は、人間のように二本の足で立たされて、世界を見張る警察の働きをします。
この国の影響力はすごいです。世界はアメリカのように、民主主義を目指し国を発展させる国も多くあります。ソビエト連邦が崩壊した後の世界は、アメリカが世界の王のようでした。経済力があり、発言力があり、国々を仲裁し、世界の平和を求める人間の心を持っています。
ダニエルは、終わりの時代に起こる国を見たのでした。現代の人々は、獅子のような国(アメリカ)を実際に見ています。自分の目で見、味わっています。現代人は、終わりの時代に生きる人々です。ダニエルの預言の成就の時代を生きているのです。
神は、ダニエル書で、獅子のような獣の後に、熊に似た獣が世界の王となることを預言しておられます。