ダニエル書2:32-45に書かれています。
王は、頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土の大きな像の夢を見ました。王が見ているうちに、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。そのとき、鉄も粘土も青銅も銀も金もみな共に砕けて、夏の麦打ち場のもみ殻のようになり、風が吹きはらって、跡形もなくなりました。そして、その像を打った石は大きな山となって全土に満ちました。
王は、巨大で異常な輝きを放つ恐ろしい姿のその像に恐れを感じて、その夢の意味を知りたいと思いました。イスラエルから連行した捕虜のひとり、ダニエルがその夢を解き明かしました。その夢は秘密を現される神が、後に起こることを王にお示しになったのでした。
ダニエルが解き明かしました。
「天の神は王に国と権威と力と光栄とを賜い、すべてのものを治めるようにネブカドネザル王の手に与えられました。金の頭は、ネブカドネザル王ご自身です。
ネブカドネザル王の時代の後に、ネブカドネザル王が治めるバビロンよりも劣るもう一つの国が起こります。次に青銅の第三の国が起こって、全土を治めるようになります。
第四の国は鉄のように強い国です。その国は鉄がすべてのものを打ち砕くように、先の国々を粉々に打ち砕いてしまいます。足と足の指は、その一部が陶器師の粘土、一部が鉄でしたが、それは分裂した国のことです。その国には鉄の強さあるでしょうが、その鉄はどろどろの粘土と混じり合っており、その国は一部は強く、一部はもろいものです。鉄と粘土は人間の種によって、互いに混じり合いますが、鉄が粘土と混じり合わないように、それらが互いに団結することはありません。
この王たちの時代に、天の神は一つの国を起こされます。その国は永遠に滅ばされることがなく、その国は他の民に渡されず、かえってこれらの国々をことごとく打ち砕いて、絶滅してしまいます。しかし、この国は永遠に立ち続けます。」
ダニエルは、バビロニア帝国の後、バビロニア帝国よりも劣るメドペルシア帝国が起こり、第三にギリシア帝国が起こり、第四のオスマン帝国が起こることを見たのです。そして、これらの国々を支配した獣が、終わりの時代に再び活動します。しかし、帝国の姿をしているわけではありません。
エリヤの霊によって世に現れたバプテスマのヨハネのように、終わりの時代にバビロニア帝国の霊は欧州から起こった秘密結社として働いており、国は持たず各国の中に入って世界を操っています。
この霊とともにアメリカ大陸に渡り、メディア帝国の霊は獅子のような獣(アメリカ)として、終わりの時代に現れました。
また、隠されたバビロニア帝国の霊の働きによって、ペルシア帝国の霊は熊に似た獣(ロシア)として現れました。
世界を牛耳るバビロニア帝国の霊の働きによって、ギリシア帝国の霊は豹のような獣(中国)として現れました。
世界で働く闇の力秘密結社のバビロニア帝国の霊の働きによって、オスマン帝国の霊は非常に恐ろしい獣として現れます。イスラム帝国が復興したかのようです。
この四つの獣が世に現れ、この四つの国が地上にある間に、天の神は一つの国を起こされます。一つの石が人手によらずに山から切り出され、鉄と青銅と粘土と銀と金を打ち砕きます。石は、天の神が起こされる国の礎の石(イエス・キリスト)です。イエス・キリストが白い馬に乗る天の軍勢とともに天から来られて、バビロニア帝国の霊もメドペルシア帝国の霊もギリシア帝国の霊もオスマン帝国の霊も一緒に、一度で滅ぼしてしまいます。そして、それらの獣を支配していた悪魔を縛り、底知れぬ穴に閉じ込めてしまいます。
こうして、地上にイスラエルの王、神の御子イエス・キリストの王国が建つことを、神は知らされました。この国は永遠に滅ぼされることがなく、この国は他の民に渡されることがありません。歴史的に帝国に苦しめられ、支配されて来たイスラエルが王(復活のキリスト)を迎え、永遠の国となって、世界に平和が訪れるのです。もはや、この国から別の国が建つことはありません。人手によらない神の国です。地上に現れるキリストの王国です。
これは、四つの獣、第一の獅子のような獣(アメリカ)と第二の熊に似た獣(ロシア)と第三の豹のような獣(中国)、そして、第四の非常に恐ろしい獣(反キリストの国)が現れたその後に起こることです。
ネブカドネザル王の夢は、ネブカドネザル王の時代の示しだけではありませんでした。中世の世に起こることによって、世の終わりに起こることを示しておられたのです。
中世のオスマン帝国が、第一次世界大戦時に滅亡しました。そして、ダニエル書に預言されていた終わりの時代に現れる四頭の獣の姿が明らかになったのです。終わりの時代の四つの獣(アメリカ、ロシア、中国、イスラム帝国)が、次々と世に姿を現すのです。