「聖書に『最初の人アダムは生きた者となった。』と書いてありますが、最後のアダムは、生かす御霊となりました。最初にあったものは血肉のものであり、御霊のものではありません。御霊のものはあとに来るのです。
第一の人は地から出て、土で造られたものですが、第二の人は天から出た者です。土で造られた者はみな、この土で造られた者に似ており、天からの者はみな、この天から出た者に似るのです。
私たちは土で造られた者のかたちを持っていたように、天上のかたちをも持つのです。
兄弟たちよ。私はこのことを言っておきます。血肉のからだは神の国を相続できません。朽ちるものは、朽ちないものを相続できません。」(コリントⅠ 15:45-50)
第一のアダムは、土で造られ、神に息を吹き入れられて、生きる「人」となりました。その後、アダムのあばら骨から妻エバが造られました。
第二のアダムは、天から出た者です。神が神のひとり子に肉体を造り、「人の子」として、地に遣わされたのです。神が造られた人の子イエスは、御霊を帯びており、生かす者となりました。イエスが贖いの血を流し、死から復活されたので、御霊がイエス・キリストのために花嫁を造られます。
最初にあったのは、血肉のものです。御霊のものとして生まれて来る者は誰もいません。すべての人は、血肉のからだで生まれます。神が天から遣わされた神の御子もその通りです。
すべての人は、地から出て土で造られた第一のアダムに似た者として生まれました。この性質は脈々と受け継がれています。
しかし、天から遣わされた神の子羊イエスが、その肉の性質を断ち切り、新しい御霊の性質を創造されました。
血肉のからだで来られたイエスが、十字架上で肉の呪いを受け、肉に死にました。神の御子イエスが、生贄の神の子羊イエスとして、贖いとなられたのです。天から与えられた生贄の子羊イエスが、すべての人の罪の身代わりとなられました。すべての罪の呪いをイエスが負い、人の罪が贖われたのです。
第一のアダムの性質が、十字架で砕かれました。肉を砕かれたイエスは、贖いの血を流し、葬られました。イエスは死んだのです。罪の呪いを受けて、神に罰せられたのです。
神の子羊イエスは、死に渡されました。彼自身が罪を犯してはいない聖なる子羊の血は、死の呪いを打ち破る力がありました。
イエスの血は、神に罪の赦しを実現させる贖いの血であり、死と滅びから魂を救い出す勝利の血です。イエスは、キリストの血を携えて死の国に入られました。そして、死にいのちを与えたのです。
キリスト・イエスは、捕虜を引き連れて、御霊を与えられました。
「『高い所に上られたとき、彼は多くの捕虜を引き連れ、人々に賜物を分け与えられた。』
―この『上られた。』ということばは、彼がまず地の低い所に下られた、ということでなくて何でしょう。この下られた方自身が、すべてのものを満たすために、もろもろの天よりも高く上られた方なのです。―」(エペソ4:8ー10)
イエスは、朽ちるもので蒔かれましたが、朽ちないものに甦らされました。死者の復活もこれと同じです。卑しいもので蒔かれ、栄光あるものに甦らされ、弱いもので蒔かれ、強いものに甦らされ、血肉のからだで蒔かれ、御霊に属するからだに甦らされるのです。
血肉のからだは神の国を相続できません。朽ちるものは、朽ちないものを相続できません。神の御国は永遠に生きるものの国です。死のない国です。御霊の世界です。
御霊は、イエス・キリストを愛し従う妻を、神の子羊イエスのために、創造されます。イエスを主とする者は、イエスが地の低い所に下られたとき、引き連れた魂です。悪魔に捕らえられていた捕虜を、キリストの血によって買い戻されたのです。
イエスは、死と滅びから救い出した人々に、御霊を与え、賜物を分け与えられます。イエス・キリストの贖いの血によって、血肉のからだで蒔かれた肉の性質が贖われます。そして、キリストが与えられる御霊によって新しく生まれ、御霊に属するからだに甦らされるのです。
最初の血肉の人は、生きた者でした。肉の性質を持っています。キリストの死によって、新しく創造される御霊の人は、生かす御霊の性質を帯びます。
「終わりのラッパとともに、たちまち、一瞬のうちに変えられます。ラッパが鳴ると、死者は朽ちないものに甦り、キリストの花嫁、キリストの兄弟姉妹は変えられるのです。」(コリントⅠ 15:52)
朽ちる血肉のからだのものは、必ず朽ちない復活のからだを着なければならないのです。死ぬものは、必ず不死を着なければならないからです。
主イエスは、神の子らを神の国に集めるために来られたのです。御霊によって、神の子らを創造するために来られたのです。
キリストの血は、真理を開き、御霊が新しく御霊の子を生みます。御霊によって生まれた者に、神の国を相続させるためです。
人はすべて、血肉のからだで生まれます。しかし、御霊によって新しく生まれ、新しい創造を受けるならば、御霊に属するからだに甦らされるのです。