「イエスが十字架で死に、岩に掘られた新しい墓に納めた。安息日の前日だったので、安息日が明け、週の初めの日（日曜日）の明け方早く、女たちは、準備しておいた香料を持って墓に着いた。見ると、墓の入り口に転がしかけておいた大きな石が、わきに転がしてあった。入って見ると、主イエスのからだはなかった。
そのため女たちが途方にくれていると、まばゆいばかりの衣を着たふたりの人が、女たちの近くに来た。恐ろしくなって、地面に顔を伏せていると、その人たちはこう言った。
『あなたがたは、なぜ生きている方を死人の中で捜すのですか。ここにはおられません。甦られたのです。まだガリラヤにおられたころ、お話しになったことを思い出しなさい。
人の子は必ず罪人らの手に引き渡され、十字架につけられ、三日目に甦らなければならない、と言われたでしょう。』
女たちはイエスのみことばを思い出した。」（ルカ２４：１－８）
イエスが甦られたのを知ったのは、朝早く墓に行った女たちでした。女たちは、墓から戻って、十一弟子とそのほかの人たち全部に、一部始終を報告しましたが、彼らは女たちのたわごとと思い、女たちを信用しませんでした。
女たちは、御使いたちの幻を見て、御使いたちがイエスは生きておられると告げた、と言いました。それで、仲間の何人かが墓に行ってみると、女たちの言ったとおりで、イエスさまは見当たらなかったのです。
復活したイエスは、言われます。「ああ、愚かな人たち。預言者たちの言ったすべてを信じない、心の鈍い人たち。キリストは、必ず、そのような苦しみを受けて、それから、彼の栄光に入るはずではなかったのですか。」
イエスは初めに、マグダラのマリアにお会いになりました。イエスが立っておられるのを見たが、イエスであることがわからなかった、とあります。また、エマオの途上で、ふたりの弟子にイエスが近づき、モーセおよびすべての預言者から始めて、聖書全体の中で、ご自分について書いてある事柄を解き明かされました。ふたりの目はさえぎられていて、イエスだとは分かりませんでした。
マグダラのマリアは、イエスから「マリア。」と言われて、イエスだとわかりました。ふたりの弟子は、イエスがパンを取って祝福し、裂いて渡されたとき、目が開かれて、イエスだとわかりました。
甦られた、復活のからだのイエスは、肉体のイエスとは見た目が異なるようです。しかし、目が開かれると、主イエスだとわかるようです。
十一使徒とその仲間が集まって、「本当に主は甦って、お姿を現された。」と話していると、イエスご自身が彼らの真中に立たれました。彼らは驚き恐れて、霊を見ているのだと思った。
すると、イエスは言われた。
「なぜ取り乱しているのですか。どうして心に疑いを起こすのですか。わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしです。わたしに触って、よく見なさい。霊ならこんな肉や骨はありません。わたしは持っています。」そして、彼らの前で、焼いた魚を召しあがったのです。
復活のからだは、この世の肉体のからだとは違いますが、永遠に朽ちない肉と骨のからだのようです。食べ物を肉体のからだのように食べることもできます。手で触ることもできます。話すこともできます。しかし、肉体に拘束されてはいません。霊のように、壁を通り抜けることも、瞬間移動もします。
この世では見たことも聞いた事もない、新しいからだです。死に勝利した栄光のからだです。霊で存在するのではなく、復活の新しいからだで、永遠に生きるのです。罪のないからだです。罪は贖われ、原罪はすでに処罰されました。
キリストの死と復活は、罪を贖い、罪人のからだをも贖われました。全きものとなるのです。このことは、神の子羊イエスがご自分を献げ、ただ一度で成し遂げられたのです。
神が天から遣わされた神の子羊イエスは、十字架の血によって、ただ一度で、贖いを成し遂げられたのです。
へブル９：２５－２８に、このように書かれています。
「年ごとに自分の血でない血を携えて聖所に入る大祭司とは違って、キリストは、ご自分を幾度も献げることはなさいません。
もしそうでなかったら、世の初めから幾度も苦難を受けなければならなかったでしょう。しかしキリストは、ただ一度、今の世の終わりに、ご自身を生贄として罪を取り除くために、来られたのです。
そして、人間には、一度死ぬことと死後に裁きを受けることが定まっているように、キリストも、多くの人の罪を負うために一度、ご自身を献げられましたが、二度目は、罪を負うためではなく、彼を待ち望んでいる人々の救いのために来られるのです。」
『キリスト』は永遠に生きるもの、とユダヤ人は信じています。それで、十字架にかかり死んだイエスにつまづきました。しかし、イエスは、墓から甦られました。永遠に生きる、栄光のからだで甦られ、今は、世の終わりのときまで、神の御座の右に着座しておられるのです。
神が言われたからです。「わたしが、あなたの敵をあなたの足台とする時まで、わたしの右の座に着いていなさい。」（詩編１１０：１）
やがて、反キリストが世に現れ、世界を支配します。イスラエルの君ミカエルと彼の使いが勝利して悪魔は、天から地に落とされます。天にはもはや竜（悪魔）とその使いたちのいる場所がなくなったからです。
そして、天から来られる「神のことば」と呼ばれる、「王の王。主の主。」である復活のキリストが、竜と獣どもを滅ぼされるのです。
イエスは、二千年前に、地上の肉体を脱いでおられます。もう二度と、肉体に入られることはありません。キリストのからだは、永遠に生きる栄光のからだなのです。
イエス・キリストは、生まれ変わることはありません。贖いのわざは、二千年前に、完了しています。獣どもを滅ぼすときまで、天におられます。
栄光のからだのキリストが、キリストの血で贖われた人々に御霊を与え、キリスト・イエスと同じ栄光のからだを造ってくださるのです。
イエスが二度目に地上に来られるのは、キリスト・イエスを待ち望んでいる人々の救いのために来られるのです。キリストが現れたなら、キリストを待ち望んでいる人々は、キリストに似た者となるのです。
