ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

バビロンの王に仕えて生きよ

 

 ユダヤのおもだった者たちがバビロンへ引いて行かれた後、バビロンの王が、バビロンに捕え移されなかった男、女、子どもたち、国の貧民たちをアヒカムの子ゲダルヤにゆだね、ゲダルヤを彼らの総督とした。

 そのことを聞いた、野にいた将校たちとその部下たちは、ミツパにいるゲダルヤのもとに来た。そこで、ゲダルヤは、彼らに誓って言った。

 「カルデヤ人に仕えることを恐れてはならない。この国に住んで、バビロンの王に仕えなさい。そうすれば、あなたがたは幸せになる。」(エレミヤ40:9)

 

 イスラエルの神である主は、預言者エレミヤに、エルサレムのユダの王ゼデキヤのところに来る使者たちによって、エドムの王、モアブの王、アモン人の王、ツロの王、シドンの王に伝言を送り、彼らがそれぞれの主君に次のことを言うように、と神の命じられることばを授けられました。

 

 「イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。あなたがたは主君にこう言え。わたしは、大いなる力と、伸ばした腕とをもって、地と、地の面にいる人間と獣を造った。それで、わたしの目にかなった者に、この地を与えるのだ。

 今、わたしは、これらすべての国をわたしのしもべ、バビロンの王ネブカデネザルの手に与え、野の獣も彼に与えて仕えさせる。

 ―彼の国に時が来るまで、すべての国は、彼と、その子と、その子の子に仕えよう。しかし時が来ると、多くの民や大王たちが彼を自分たちの奴隷とする。―

 バビロンの王ネブカデネザルに仕えず、またバビロンの王のくびきに首を差し出さない民や王国があれば、わたしはその民を剣と、飢饉と、疫病で罰し、― 主の御告げ ―彼らを彼の手で皆殺しにする。

 だから、あなたがたは、バビロンの王に仕えることはない、と言っているあなたがたの預言者、占い師、夢見る者、卜者、呪術者に聞くな。彼らは、あなたがたに偽りを預言しているからだ。

 それで、あなたがたは、あなたがたの土地から遠くに移され、わたしはあなたがたを追い散らして、あなたがたが滅びるようにする。

 しかし、バビロンの王のくびきに首を差し出して彼に仕える民を、わたしはその土地にいこわせる。―主の御告げ―こうして、その土地を耕し、その中に住む。」(エレミヤ27:4-11)

 

 ユダの王ゼデキヤにも、エレミヤは語って言った。

 「あなたがたはバビロンの王のくびきに首を差し出し、彼とその民に仕えて生きよ。どうして、あなたとあなたの民は、バビロンの王に仕えない国について主が語られたように、剣と飢饉と疫病で死んでよかろうか。

 『バビロンの王に仕えることはない。』とあなたがたに語る預言者たちのことばに聞くな。彼らはあなたがたに偽りを預言しているからだ。」(エレミヤ27:12-14)

 

 主は、その偽りの預言を信頼する者たちを追い散らす、と言われました。また、これらの預言者たちのことを滅びるようにすると言われました。主が遣わしていないのに、彼らは、主の名によって偽りの預言をしているからです。

 

 エレミヤはまた、祭司たちとこのすべての民に語って言った。

 「主はこう仰せられた。『見よ。主の宮の器は、今すみやかにバビロンから持ち帰られる。』と言って、あなたがたに預言しているあなたがたの預言者のことばに聞いてはならない。彼らはあなたがたに、偽りを預言しているからだ。

 彼らに聞くな。バビロンの王に仕えて生きよ。どうして、この町が廃墟となってよかろうか。」(エレミヤ27:16,17)

 

 ユダの王や国々の王たちに主権があるのではありません。バビロンの王に主権があるのではありません。すべてのものを造られた神、すべての人間とすべての国を造られたイスラエルの神が主権者です。全知全能の神がすべてのものに権威を持っておられます。力強い万軍の主です。この方に逆らう者は、幸せになれません。

 

 この時、神は、バビロンの王ネブカデネザルに、これらの国々の地を与え、彼に服するものとされました。創造主であられる神が、御自身の見る目にかなった者に、これらの地を与えられるのです。それで、すべての国は、バビロンの王と、バビロンに仕えるのです。

 

 しかし、その時が満ちると、多くの民や大王(バビロンの王よりも強い王)たちがバビロンの王とバビロンを自分たちの奴隷とする、と神は言っておられます。

 

 バビロン捕囚の時、バビロンの王に仕えることが、神の正しい導きだったのです。もし、神の御計画に逆らい、バビロンの王に服さずに立ち向かう者があれば、その民は戦いで血を流し、神が飢饉と、疫病で罰し、彼らを皆殺しにすると言われたのです。

 

 平和の神の命令は、「バビロンの王に降伏し、バビロンの王とその民に仕えて生きよ。」なのです。それは、幸せのためです。

 バビロンの王のくびきに首を差し出して彼に仕える民を、その土地(彼らの先祖の土地)にいこわせ、その土地を耕し、その中に住み続けることができるように、神御自身が守られるからです。

 

 ユダの王やその他の国々の王や民を苦しめる計画ではありません。彼らが安全に住まうために、神の目にかなった者に、それらの土地を、時が来るまで与えられるのです。

 

 かつて、イスラエルを試み、彼らが神の命令を守るかどうか、彼らの心のうちにあるものを知るために、四十年の間、荒野でイスラエルを苦しめられた主です。主は、イスラエルを苦しめ、飢えさせて、人の知らないマナを食べさせられました。それは、人はパンだけで生きるのではない、人は主の口から出るすべてのもので生きる、ということをイスラエルにわからせるためでした。(申命記8:2,3)

 

 今現在、神の民イスラエルは、ユダヤ民族だけではありません。主キリストによって、異邦人もまた、神の契約のうちに入れられたのです。

 

 「わたしは、わが民でない者をわが民と呼び、愛さなかった者を愛する者と呼ぶ。『あなたがたは、わたしの民ではない。』と、わたしが言ったその場所で、彼らは、生ける神の子どもと呼ばれる。」(ローマ9:24-26)

 主キリスト・イエスを信じる異邦人もまた、神の民の中に加えられるのです。彼らは異邦人ではなく、イスラエルと同じ民となるのです。

 

 モーセは言いました。

 「あなた(イスラエル)は、人がその子を訓練するように、あなたの神、主があなたを訓練されることを、知らなければならない。

 あなたの神、主の命令を守って、その道に歩み、主を恐れなさい。

 あなたの神、主が、あなたを良い地(神が用意した国)に導き入れようとしておられるからである。」(申命記8:5-7)

 

 「わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。―主の御告げ―それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。」(エレミヤ29:11)

 

 バビロンの王に仕えるのは、民が生きるためであり、主の試みを経て、神が用意された永遠の安息を得るためなのです。