ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

引き止める者

 

 「さて兄弟たちよ。私たちの主イエス・キリストが再び来られることと、私たちが主のみもとに集められることに関して、あなたがたにお願いすることがあります。

 霊によってでも、あるいはことばによってでも、あるいは私たちから出たかのような手紙によってでも、主の日がすでに来たかのように言われるのを聞いて、すぐに落ち着きを失ったり。心を騒がせたりしないでください。

 だれにも、どのようにも、だまされないようにしなさい。なぜなら、まず背教が起こり、不法の人、すなわち滅びの子が現われなければ、主の日は来ないからです。

 彼(反キリストと呼ばれる不法の人)は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。

 私がまだあなたがたのところにいたとき、これらのことをよく話しておいたのを思い出しませんか。

 あなたがたが知っているとおり、彼がその定められた時に現われるようにと、いま引き止めているものがあるのです。

 不法の秘密(悪魔が世界を支配する動き)はすでに働いています。しかし今は引き止める者があって、自分が取り除かれる時まで引き止めているのです。」(テサロニケ第ニ2:1-7)

 

 主イエス・キリストが再び来られるには、神の定められた手順があります。聖徒たちが主の再臨を待ち望んで祈り叫ぶから来られるのではありません。

 

 必ず、通らなければならないのは、イスラエルに用意された七年の患難です。それは、滅びの子(反キリストと呼ばれる不法者)が世界を支配することを許された期間です。

 

 反キリスト(天の神に敵対するひとりの指導者)が世に現われる前に、まず背教が起こります。キリスト教会に属している者(クリスチャン)が、神を恐れない滅びの子らに殺されます。そして、神に忠実な聖徒たちは殉教の死を遂げます。神は、殉教者の数を満たされます。

 自分の命を守ろうとする者たちはイエス・キリストの御名を否定しキリストを裏切ります。多くの背教者が起こります。

 

 そして、神に忠実な者で殉教した信仰の勝利者たちの魂と、また神が選ばれ信仰を全うした真実な主イエスのしもべたちは生きながら、天に引き上げられます。これが携挙の時です。

 地の中で眠っていた殉教者たちは、墓から甦り、天に引き上げられます。次に、生きている信仰の勝利者(悪霊どもと戦う生きながらの殉教者)たちを、一瞬にして新しいからだに造り変えて、天に引き上げられます。

 

 これは、異邦人の完成の時でもあります。ユダヤ人であることにこだわらなかったユダヤ人ビリーバーたちと、異邦人のクリスチャンたちの救いの時です。

 

 彼らの祈りが、悪魔が世界を支配することを引き止めていました。彼らのうちにはキリストの御霊が住んでおられ、御霊の祈りをしていたのです。御霊が、不法の人が現われるのを引き止めていました。

 死から甦り天に上られたキリストが、地上の弟子たちに聖霊のバプテスマを授けられたので、神の聖徒(キリストのしもべ)とともに、もうひとりの助け主(真理の御霊)が地上で働いておられます。

 

 神の子羊イエスの血で世の罪を取り除き、神の御心を成し遂げたキリストを天に引き上げられた主は、殉教者の数が満ちると地上に遣わされたもうひとりの助け主(御霊)を天に引き上げられます。

 神は、御霊が引き上げられるとき、御霊とともにいた者(御霊の器、神の宮)たちもともに引き上げられるのです。

 

 しかし、神に忠実でなかった人々は地上に残されます。御霊を持っていなかった人々です。イエス・キリストを信じていたけれども、キリストの御霊に従うことのなかった人々です。新しい創造を受けていなかった肉のクリスチャンたちです。

 

 世から聖霊が取り除かれると、この世は闇となります。霊の目がふさがれるのです。世の人々の目に真理の光は失われます。

 

 ユダヤ人の時になると、ユダヤ人の霊の目が開かれます。地上にいるユダヤ人たちは、ユダヤ教徒と世俗派ユダヤ人とユダヤ人の伝統を守るメシアニック・ジューです。メシアニック・ジューは、ユダヤ人や残されたクリスチャンに真理を教え神に立ち返らせるために働き、みな殉教します。熱心なユダヤ教徒たちもみな殉教します。

 

 御霊を引き上げられた主は、旧約時代のように、神の民ユダヤ人とともにおられます。旧約時代、預言者たちに聖霊によって神のことばを授けられたように、ユダヤ人の時には、聖霊によってユダヤ人に真理を現わされます。

 

 キリストの福音のために働き神に仕えたユダヤ人ビリーバーたちは、異邦人の完成の時に、異邦人とともに、携挙されます。殉教者として天に上げられる者もいれば、生きたまま携挙される者もいます。

 

 しかし、キリストに仕えることに熱心でなかったユダヤ人ビリーバーは、地上に残され、ユダヤ人の時に入って、最後の刈り取りのときにキリストを否むことなく自分のいのちを勝ち取るのでしょう。

 

 今は、引き止める者(御霊)がいて、自分が取り除かれるまで不法の人が現われるのを引き止めています。御霊を持つユダヤ人ビリーバーもクリスチャンも、自分自身を神とする滅びの子、すなわちダニエルが預言し、イエスも語られた「憎むべき荒らす、忌むべき者(反キリスト)」が世界の覇権を握るのを見ることなく、天に帰るのでしょう。

 

 御霊によって主に仕え、イエス・キリストの御名によって執り成す聖霊の器たちが世からいなくなると、世は一変します。悪魔に権威を与えられた悪魔の子らが世界を支配するようになるからです。

 

 聖霊による祈りは、世に真理の光を放ちます。闇が世をおおうことがないように、悪魔の策略、不法の秘密と戦っているからです。