ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

傷んだ葦を折ることもなくくすぶる燈心を消すこともない

 

 「これ(神の子羊イエス・キリスト)ぞ、わたし(神)の選んだわたしのしもべ、わたしの心の喜ぶわたしの愛する者。

 わたし(神)は彼(神のひとり子イエス・キリスト)の上にわたしの霊(聖霊)を置き、彼(キリストの御霊)は異邦人(諸国の民)に公義(裁き)を宣べる。

 争うこともなく、叫ぶこともせず、大路(世の人々の歩む広い道)でその声(キリストの福音)を聞く者もない。(世の人々は無関心で、真理を求める人々が見出す狭い道である。)

 彼(キリスト)は傷んだ葦(傷ついた弱いキリスト者)を折ることもなく、くすぶる燈心(消えそうな信仰)を消すこともない、公義を勝利に導くまでは。(キリストを信じる者が裁きを免れる信仰の勝利者となるまでは。)

 異邦人(諸国の民)は彼の名(イエス・キリストの御名)に望みをかける。」(マタイ12:18-21)

 

 異邦人の完成のなる時まで、異邦人の宣教は続けられます。

 しかし、やがて異邦人の完成のなる時が来ます。イエス・キリストを愛し、イエスのことばに忠実であったキリスト者はみな、世を去ります。

 ある人々は死によって、また、ある人々はキリストのゆえに苦しめられ信仰の勝利者の死を遂げる殉教者として、また、ある人々は神にその信仰を喜ばれ生きたまま天に引き上げられる(携挙される)ことによって、世から取り去られます。

 熱心でなかった者や、忠実でなかった者、信仰が揺らいでいた者、信仰から離れていた者たちが地上に残されます。

 

 世は、ユダヤ人の時に入りました。

 「奥義とは、イスラエル人の一部がかたくなになったのは異邦人の完成のなる時までであり、こうして、イスラエルはみな救われる、ということです。こう(聖書に)書かれているとおりです。

 『救う者(神が立てられる証人)がシオン(イスラエル)から出て、ヤコブ(ユダヤ民族)から不敬虔(神の御子イエス・キリストを信じない背信の罪)を取り払う。これこそ、彼ら(アブラハムの子孫ユダヤ民族)に与えたわたしの契約(神の御救いの契約)である。

 それは、わたし(神)が彼ら(ユダヤ人)の罪を取り除く時である。」(ローマ11:25-27)

 

 「彼ら(ユダヤ人たち)は、福音(神の御救いの約束)によれば、あなたがた(異邦人の救い)のゆえに、神に敵対している(神のキリストを信じない)者ですが、選び(アブラハムの契約と祝福を相続するアブラハムの子孫イスラエルは、神の民である。)によれば、先祖たち(アブラハム、イサク、ヤコブ)ゆえに、(神に)愛されている者なのです。

 神の賜物(神がメシア〈救世主キリスト〉をイスラエルに与えられる。)と召命(イスラエルは神に仕える祭司の民である。)とは変わることがありません。(神は、必ず、イスラエルに実現されます。)」(ローマ11:28,29)

 

 神が立てられたふたりの証人によって、神のみわざが現われます。神のことばが語られ、神の御力、すなわち神の霊によるしるしと不思議が現わされます。

 

 ふたりの証人は、イスラエルに悔い改めを促します。

 一方、諸国では、神が初めから召しておられる十四万四千人のユダヤ人たちが、全世界に出て行って、福音を宣べ伝えます。彼らの額には、ふたりの証人によって、生ける神の印(父の名と子羊の名)が押されています。

 

 世界中に生き残っているクリスチャンは大勢います。彼らのうちには、十四万四千人のユダヤ人の働きによって、心に植えられていた福音の種(イエスのことば)が芽生える者たちがいます。

 

 「福音の種」のないこの世の人々は、理解できません。しかし、イエスのことばを聞いたことのある残りのクリスチャン(かつて、イエスを神の御子キリストであると告白した者)たちは、霊的に暗くなった(御霊が引き上げられ光を失った)闇の世で、彼らの宣教のことばに光を見出します。

 

 熱心でなかった多くのクリスチャンたちは悔い改め、神に立ち返ります。

 彼らの周囲にいた信仰に熱心だったクリスチャンたちは、すでに世にいません。彼ら(世からいなくなった、主にある兄弟姉妹)を見失って、神の時が来ていたことを悟ったのです。

 

 忠実な聖徒たちがいなくなった(御霊の器と真理の御霊が引き上げられた)世界は、悪魔が吠え猛っています。世の人々は、反キリストを支持し、彼に望みを託しています。多くクリスチャンたちは、世の人々の仲間となり、信仰を捨てています。恐ろしい世界です。

 

 反キリストは、エルサレムに神の神殿を建築(ユダヤ人に建てさせる)し、ふたりの証人(神に忠実なしもべ)を殺しました。三年半の間の、ふたりの証人と十四万四千人のユダヤ人の宣教の時が終わったからです。神が聖徒たちにお与えになった三年半が終了し、いよいよ、反キリストに悪魔のわざをすることが許される期間(三年半)となります。

 

 偽預言者(おそらく、ユダヤ民族のダン部族から出る)が立ち、反キリストの像を造るように命じ、その像を拝まないユダヤ人をみな殺させます。

 反キリストに権威を与えたのは悪魔であり、偽預言者もまた悪魔から権威を受け、反キリストと同じ力を持っています。人々の前で、火を天から地に降らせるような大きなしるしも行ない、地上に住む人々を惑わします。

 

 世界は一つの国のようになって、反キリストは世界中の人々の右手かその額に、チップ(刻印)を埋め込むでしょう。おそらく、貨幣ではなく、このチップの機能で支払いができるようになり、全世界共通の売買方法となるでしょう。

 

 このチップの無い者は、新しい世界(反キリストが覇権を握る世界)では、売ることも買うこともできません。

 これは、獣(反キリスト)の刻印です。信仰の残っているクリスチャンたちは、これ(刻印)を拒みます。買うことも売ることもできない彼らは死(餓死)を待つばかりです。

 また、十四万四千人のユダヤ人の宣教により神に立ち返った人々はみな、反キリストにより棄教を迫られます。日本の踏み絵のようで、もっと恐ろしいです。棄教を拒む者はただちに殺されます。

 

 ユダヤ人たちは像の試みにより、また、残りのクリスチャンたちは信仰を捨てる棄教告白の試みによって、信仰を試されます。像を拝む者やイエスを否む者たちは、救いを奪われます。

 

 それらの試みに勝利する者はみな、反キリストによって殺されます。必ず、殺されます。しかし、命を失っても、神への信仰を失わなければ、彼らは、新しい世(千年王国)で甦り、とこしえのイスラエルの国民となるのです。

 

 神は憐れみの神です。弱い者を捨てられません。忠実でなかったクリスチャンたちに、救いのチャンスを残しておられます。

 

 ユダヤ人の(救いの)時となり、反キリストが覇権を握って猛威を振るう恐ろしい世界に、神は救いを用意されます。この終わりの働きのために召された十四万四千人のユダヤ人が、全世界に出て行って、救いのみことばを見失った聖徒たち、すなわちイエス・キリストを告白する人たちに、救いのことばを与えます。

 

 真理のことばに飢え乾く聖徒らの唯一の霊の糧です。世には、キリスト教会も聖書も存在しません。反キリストが神なのです。

 真理のことばに聞き従う聖徒らはみな殺されますが、彼らは永遠のいのちを得る信仰の勝利者に加えられます。

 

 神は、少しでも信仰の火種が残っていれば、見捨てることはありません。

 神が遣わされた十四万四千人のユダヤ人の宣教のことばを聞いて悔い改める者たちを必ず、救い出してくださいます。彼らは、自分の命を惜しまないでイエス・キリストを告白する勇気が与えられるのです。

 これが、最後の刈り取り(信仰を持つ者が信仰を持ったままで死を迎える)の時です。

 

 像を拝むことや、刻印を受けることから逃がれて生き残る者たちが、これらの神の試みによって死を迎えないで生き残った場合(神の最後の刈り取りの時期を過ぎても、なお隠れて地上に生き残っているユダヤ人やクリスチャンもいるでしょう。)、反キリストに捜し出されて、みな殺されます。

 像を拝んだり、刻印を受けたり、イエス・キリストを否んで棄教した者たちも、後になって必ず殺されます。そして、自分の命を惜しんだ彼らの死は、いのちの書から彼らの名が消されます。

 

 神は、憐れみ深いお方です。聖徒のうちに宿るからし種ほどの信仰をご覧になって、異邦人の時が終わってもなお、イエス・キリストを告白する残された異邦人に、救いの道を用意されます。