ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

心に書きしるされる契約

 

 「その人(地上の祭司)たちは、天にあるものの写しと影とに仕えているのであって、それら(聖所)はモーセが幕屋を建てようとしたとき、神から御告げを受けたとおりのものです。神はこう言われたのです。

 『よく注意しなさい。山であなた(モーセ)に示された型に従って、すべてのものを作りなさい。』

 しかし、今、キリストは(モーセよりも)さらにすぐれた務めを得られました。それは彼(神の子羊イエス・キリスト)が、さらにすぐれた約束(神が用意された罪のない神の子羊イエスの全き血)に基づいて制定された、さらにすぐれた契約の仲介者(人間が設けたのではなく、主が設けられた真実の幕屋である聖所〈天のまことの聖所〉で仕えるとこしえの大祭司であり、永遠のいのちを得させる聖霊〈真理の御霊〉を授けるキリスト)であるからです。

 もしあの初めの契約(モーセの律法)が欠けのないものであったなら、後のもの(神の子羊イエス・キリストの血による新しい契約)が必要になる余地はなかったでしょう。

 しかし、神は、それ(モーセの律法)に欠けがあるとして、こう言われたのです。

 『主が、言われる。

 見よ。日が来る。わたし(イスラエルの神)が、イスラエルの家(ユダヤ民族十二部族のうちの十部族)やユダの家(ユダヤ民族十二部族のうちの二部族)と新しい契約を結ぶ日が。

 それは、わたしが彼らの先祖たち(ユダヤ民族)の手を引いて、彼らをエジプトの地から導き出した日に彼ら(イスラエル)と結んだ契約のようなものではない。彼ら(ユダヤ民族、すなわちイスラエル)がわたしの契約(モーセの律法)を守り通さないので、わたし(イスラエルの神)も、彼らを顧みなかったと、主は言われる。

 それらの日(イスラエルの神がイスラエルを顧みなかった時代)の後、わたしが、イスラエルの家と結ぶ契約は、これであると、主が言われる。

 わたしは、わたしの律法を彼ら(イスラエル)の思いの中に入れ、彼らの心に書きつける。(彼らに新しい心を与え彼らのうちにキリストの御霊をいれる。)わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。(新しい契約では、御霊を受ける者が神の民となります。)

 また彼ら(神の民とされた人々)が、おのおのその町の者に、また、おのおのその兄弟に教えて、「主を知れ。」と言うことは決してない。(彼らはみな天から来られたイスラエルの王〈復活のイエス・キリスト〉を見るのである。)

 小さい者から大きい者に至るまで、彼らはみな、わたし(神の御子イエス・キリスト)を知るようになるからである。(ユダヤ民族は、天から来られたイスラエルの王を見て、かつて十字架につけたナザレのイエスが罪を贖い死から復活された主キリストであることを明確に知るのです。)

 なぜなら、わたし(神)は彼ら(ユダヤ民族)の不義に憐れみをかけ(ユダヤ民族は、十字架の主イエスを嘲り憎み殺したことを悔い改めないで神の御子イエス・キリストを信じなかったので国を失い世界で憎まれましたが、神は、キリストを信じた異邦人たちから苦しめられたのを御覧になってご自分の民〈神が御自分の瞳のように守り愛された選びの民、アブラハム、イサク、ヤコブ、ダビデなど彼らの先祖ゆえに愛されたユダヤ民族〉を憐れまれました。かつて、神が奴隷の家エジプトから彼らの先祖たちを鷲の翼に載せて〈聖霊の導きと守りによって〉連れ出されたとき、イスラエルを救い、エジプト人をさばかれました。)、もはや、(神は)彼らの罪(イスラエルの不信仰と不義)を思い出さないからである。」(へブル8:5-12)

 

 キリストの御霊を受けた異邦人たちも、この新しい契約の民、とこしえのイスラエルに加えられるのです。

 イスラエルの不義は、異邦人の救いのためでした。

 「もし彼ら(イスラエル)の違反(不信仰とそむき)が世界の富(キリスト〈救世主〉が世界中の異邦人の御救いの福音)となり、彼ら(ユダヤ民族)の失敗(神が遣わされたキリストを信じることができなかったこと)が異邦人の富となる(異邦人が救われ永遠のいのちを受ける)なら、彼らの完成(ユダヤ民族の救い)は、それ(世界の救い)以上の、どんなにかすばらしいものを、もたらすことでしょう。(ユダヤ民族が救われると、キリストが天から来られるのです。そのとき、死者は甦り、約束の永遠のいのちを受けるのです。)」(ローマ11:12)

 

 「もし彼ら(イスラエル)の捨てられることが世界の和解(異邦人が罪を悔い改めて神に立ち返ること)であるとしたら、彼ら(ユダヤ民族)の受け入れられる(神に赦され神と和解する)ことは、死者の中から生き返ることでなくて何でしょう。(ユダヤ民族の救いによって、神の支配される千年王国の時代が始まるのです。)」(ローマ11:15)

 

 そのとき、心に書きしるされる新しい契約にはいった者たち(神がイエス・キリストの御名によって与えられた聖霊〈真理の御霊〉を受け、心に書き記された律法を守る〈真理の御霊とともにある〉人々)は、ユダヤ人も異邦人も、約束の永遠のいのちと神の国を受けるのです。

 

 世の罪を取り除く神の子羊イエス・キリストがイスラエルのベツレヘムに生まれる六百年以上前に、預言者エレミヤが預言していたとおりです。

 

 「見よ。その日が来る。―主の御告げ。―その日、わたし(神)は、イスラエルの家とユダの家とに、新しい契約を結ぶ。

 その契約は、わたし(神)が彼ら(ユダヤ民族)の先祖の手を握って、エジプトの国から連れ出した日に、彼ら(イスラエル)と結んだ契約(石の板に書いた文字の律法)のようではない。わたしは彼らの主であったのに、彼らはわたしの契約を破ってしまった。―主の御告げ。―わたしはわたしの律法を彼らの中に置き、彼らの心にこれを書きしるす。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。

 そのようにして、人々はもはや、『主を知れ。』と言って、おのおの互いに教えない。それは、彼らがみな、身分の低い者から高い者まで、わたし(イスラエルの王キリスト)を知るからだ。―主の御告げ。―

 わたしは彼ら(イスラエル)の咎を赦し、彼らの罪を二度と思い出さないからだ。」(エレミヤ31:31-34)

 

 神は、心に書きしるされる新しい契約、すなわち真理の御霊を与える新しい契約によって、十部族のイスラエルの家と二部族のユダの家とを一つにされます。そして、ユダヤ民族の十二部族を、とこしえのイスラエル王国の王イエス・キリストが治められ、神の支配される千年王国を地上に建てられるのです。