黙示録には、ユダヤ人の時に起こることが書かれています。異邦人の完成のあとに起こることです。
異邦人の救いが完成すると、世界は一変します。なぜならば、聖霊は引き上げられ、イエス・キリストの御名によって祈る人々が世界から取り去られたからです。
神の愛(御霊の祈り)に守られていた地上から、神の愛が引き上げられました。世界には不法がはびこり、愛が冷めます。
ユダヤ人を嘲り憎んでいたクリスチャンたちは、地上に残されて動揺します。異邦人の時の終わりに、神のみことばに逆らい、神の敵に従ったからです。
自分たちが神の御怒りを受けるものとなったことに気づくと、山や岩に向かって言うでしょう。
「私たちの上に倒れかかって、御座にある方の御顔と子羊の怒りとから、私たちをかくまってくれ。御怒りの大いなる日が来たのだ。だれがそれに耐えられよう。」(黙示録6:16,17)
天に上ると信じていた人々は、自分たちが神の御怒りを受ける者となってしまったことを悟るのです。
ユダヤ人の時に、ふたりの証人が立ち、神のことばと奇蹟としるしが起こるでしょう。多くのユダヤ人たちは悔い改めます。
中東の争いは止んで、ユダヤ人たちの手でエルサレムに神の神殿(第三神殿)が建てられます。この平和をもたらした指導者を世界中がたたえます。イスラエルでさえ、彼をメシアではないのかと騙されてしまうほどに、巧言を使って、世界中の心を自分に引き寄せるのです。
彼こそが、世界を滅びに導く反キリストです。旧約聖書に預言されていた、悪魔に悪魔の権威と力とを与えられる滅びの子です。
ふたりの証人は、神のことばを大胆に語り、反キリストを苦しめます。
神殿が完成し、三年半の時が経つと、反キリストは、ふたりの証人を殺します。神がふたりの証人に、三年半という期限を定めておられるからです。
霊界で働いていた悪魔が地上に投げ落とされます。天で働くことができなくなった悪魔が、悪魔の権威を反キリストに与えると、三年半の大患難の時が始まります。反キリストは、もはや人間ではありません。人間の皮を着た獣なのです。
ユダヤ人が建てた神殿に獣(反キリスト)は立ち、自分を神とします。
もうひとりの獣(反キリストと同様に、悪魔から悪魔の権威と力とを与えられた偽預言者〈おそらく、ユダヤ民族のダン部族から起こるでしょう。〉)が、反キリストの像をつくり、反キリストの像をユダヤ人たちに拝ませます。
そして、拝まない者を殺していきます。
反キリストも偽預言者も悪魔礼拝者なのです。
「わたし(イスラエルの神)は、あなた(ユダヤ民族)をエジプトの国、奴隷の家から連れ出した、あなたの神、主である。
あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。
あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。上の天にあるもの(御使い)でも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、どんな形をも造ってはならない。
それらを拝んではならない。(被造物を創造主に代わる神としてはならない。)それらに仕えてはならない。
あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神、わたしを憎む者には、父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。」(出エジプト20:2-6)
神を恐れ、神の律法を破ることを拒むユダヤ人は、すぐさま殺されるでしょう。しかし、神は彼らに、永遠のいのちをお与えになられます。彼らの肉体が死んでも、彼らの魂は神に祝福され、キリストがイスラエルの王として来られる時、彼らは死者の中から甦りいのちの冠を受けるのです。
また、偽預言者は、天から地に火を降らせるような大きなしるしを行なって、地上に住む人々を惑わします。人々は、偽預言者に神の力が働いていると思い、彼を信じるのです。
「また、(反キリストと偽預言者は、)小さい者にも、大きい者にも、富んでいる者にも、貧しい者にも、自由人にも、奴隷にも、すべての人々にその右の手かその額かに、刻印を受けさせた。
また、その刻印、すなわち、あの獣の名、またはその名の数字を持っている者以外は、だれも、買うことも、売ることもできないようにした。」(黙示録13:16,17)
刻印のない者は、食べ物を買うことができません。それゆえ、その試みを受けないように逃げようとしても(たとい刻印を受けずに逃げおおせても)、餓死して死んでゆくのです。
お腹をすかせた子どもを持つ親は、食べ物を得ようとして刻印に甘んじる人々もいるでしょう。(地に属する事にとらわれる者は永遠のいのちを失います。)
その世界(反キリストが支配する世界)には、貨幣はないでしょう。世界は一つの国のようであって、すべての国々はテクノロジーによる支配で統一されているのでしょう。そして、すべてのものは、チップによって管理されるのでしょう。
現在、スマホが財布代わりになっているように、財布、鍵、身分証明書、また翻訳機能などあらゆる機能がからだに埋め込まれたチップで成し得るようになるでしょう。
刻印を拒む者は、神を求める人々です。救いを求める人です。
神の憐れみによって、残されたクリスチャンの中には、神がユダヤ人の時の働きのために立てられた世界宣教の十四万四千人のユダヤ人の宣教のことばを聞いて悔い改め、そして、イエスのみことばに希望を持ち続け信仰の勝利者として、肉体の死と引き換えに永遠のいのちを受ける人々がいます。彼らは、イエスからいのちの冠を受けるのです。
そのことが、ヨハネが見た地上の刈り取りです。
「私(ヨハネ)は、天からこう言っている声を聞いた。
『(黙示録に)書きしるせ。「今から後、主にあって死ぬ死者(神のみことば、イエスのことばを守るゆえに殺される者)は幸いである。」』御霊も言われる。『しかり。彼ら(反キリストや偽預言者によって殺された死者たち)はその労苦(反キリストや偽預言者から受ける苦しみ)から解き放されて休むことができる。彼らの行ない(死に至るまで信仰を持ち続けて勝利した信仰)は彼らについて行くからである。(神が報いを与えられる。彼らは、死から甦り永遠のいのちを受けるのである。)
また、私は見た。見よ。白い雲が起こり、その雲に人の子のような方(死から甦られた復活のキリスト)が乗っておられた。頭には金の冠をかぶり、手には鋭いかまを持っておられた。
すると、もうひとりの御使いが聖所から出て来て、雲に乗っておられる方に向かって大声で叫んだ。『かまを入れて刈り取ってください。地の穀物(神の民となっていた異邦人の聖徒でイエスに対する信仰を持ち続けた人々の義の実)は実ったので、取り入れる時が来ましたから。』
そこで、雲に乗っておられる方が、地にかまを入れると地は刈り取られた。(天の御国に招かれていた残りの異邦人のうち、信仰を持ち続け勝利した者たちはみな殺された。)
また、もうひとりの御使いが、天の聖所から出て来たが、この御使いも、鋭いかまを持っていた。
すると、火を支配する権威を持ったひとりの御使いが、(天の)祭壇から出て来て、鋭いかまを持つ御使いに大声で叫んで言った。
『その鋭いかまを入れ、地のぶどうのふさ(神のことばに繋がったユダヤ人)を刈り集めよ。ぶどうはすでに熟しているのだから。』
そこで御使いは地にかまを入れ、地のぶどうを刈り集めて、神の激しい怒りの大きな酒ぶねに投げ入れた。(神に立ち返ったユダヤ人たちはみな殺された。)」(黙示録14:13-19)
ユダヤ人の時に、残っていたクリスチャンは、反キリストの試みに勝利するならば、いのちの冠を受けます。すなわち、永遠のいのち(死んでも甦る神の子どものいのち)を得ます。
異邦人の時に神に熱心でなかった人々も、ユダヤ人の時に宣教活動をする十四万四千人のユダヤ人の宣教のことばを聞いて悔い改め、信仰を持ち続けて忍耐し信仰の勝利者となるならば、いのちの冠を受けます。
彼らは、最後の裁きのあとで、神が用意される「新しい地」に住む人々です。
「イスラエル人の一部がかたくなになったのは異邦人の完成のなる時までであり、こうして、イスラエルはみな救われる、ということです。こう書かれているとおりです。
『救う者(ふたりの証人と十四万四千人のユダヤ人)がシオン(神の治められる地)から出て、ヤコブ(ユダヤ民族の十二部族)から不敬虔を取り払う。
これこそ、彼ら(ユダヤ人)に与えたわたしの契約である。
それは、わたしが彼らの罪を取り除く時である。』」(ローマ11:25-27)
「あなた(イスラエル)を祝福する者は祝福され、あなた(イスラエル)を呪う者は呪われる。」(民数記24:9)
異邦人の時に完成される人は、神に忠実な人々です。神の主権にへりくだり、神のみことばは真実で正しいとして、神に従う人々です。
自分の理屈は言いません。ただ、神を常に正しいとし、神のみことばの実現を待ち望む人々です。
異邦人の時に完成される人々は、復活のからだを得て、天におけるキリストの婚宴に招かれる人々です。
「御使いは私(ヨハネ)に『子羊の婚宴に招かれた者は幸いだ、と書きなさい。』と言い、また、『これは神の真実のことばです。』と言った。」(黙示録19:9)
彼らは、神が与えられる「新しい天」に住まいの置かれる人々です。