ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

御名の栄光

 

 イエスがロバの子に乗って、エルサレムに入城されました。

 ゼカリヤ9:9の預言「シオンの娘よ。大いに喜べ。エルサレムの娘よ。喜び叫べ。見よ。あなたの王があなたのところに来られる。この方は正しい方で、救いを賜り、柔和で、ろばに乗られる。それも、雌ろばの子の子ろばに。」が、ここに成就しました。

 

 罪の贖いの神の子羊イエスが、十字架にかかられる時に至られたのです。人の子(キリスト)が、栄光を受けるその時が来ました。

 エバを騙し、人を神の御子から引き離した蛇のかしらである悪魔を踏み砕く時です。この世を支配する者が裁かれ、追い出されるのです。

 イエスが死から甦り地上から上げられると、イエス・キリストの御名のうちにいる者すべての者をご自分のところに引き上げられます。

 

 イエスは、父に祈られました。

 「今わたしの心は騒いでいる。何と言おうか。『父よ。この時から救ってください。』と言おうか。いや。このためにこそ、わたしはこの時に至ったのです。

 父よ。御名の栄光を現わしてください。」(ヨハネ12:27)

 

 人の子イエスは十字架を前に、苦しんでおられました。肉体を持つ神の御子イエスは、私たちと同じように痛み苦しみ、深く恐れもだえる人の子です。

 

 イエスは、オリーブ山で祈って来られました。「わたしは悲しみのあまり死ぬほどです。」そして、同伴するペテロ、ヤコブ、ヨハネに、「ここを離れないで、目をさましていなさい。」と命じられました。イエスは、彼らの祈りを求められたのです。しかし、彼らはひどく眠気がして、眠ってしまいました。

 

 イエスは、苦しみもだえて、切に祈られました。汗が血のしずくのように地に落ちた。と聖書にあります。

 「父よ。御心ならば、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願いではなく、御心のとおりにしてください。」(ルカ22:42)

 

 父の御心が、十字架であることを知りつつも、「父よ。この時からわたしをお救いください。」という、人の子の願いも持っておられたイエス。

 自問自答する神の御子イエス。「いや。このためにこそ、わたしはこの時に至ったのです。」神は、ひとり子を、十字架にかかる、罪の贖いを成し遂げる罪の生贄の神の子羊として遣わされていたのです。

 

 人の子イエスは、肉の苦しみを極限まで味わわれました。罪の苦しみと絶望を極みまで体験されました。

 

 「父よ。御名の栄光を現わしてください。」

 父はエホバと呼ばれる神です。

 ユダヤ人たちから、「ヤーウェイ」という御名で知られている神です。「ヤーウェイ」は、とても神聖な御名です。それゆえ、だれも「ヤーウェイ」の御名を口にすることが許されていませんでした。

 

 地上には多くの神々がいます。そして、それぞれの神に、仕える民がいます。仕える者は、仕えている神の名を呼んで、崇めます。

 

 イエスの父、イスラエルの神は、天地万物の創造主であられ、すべてのものを統べ治められる全能者です。真理の光に輝く、唯一まことの生ける神です。「永遠」は生ける神とともにあり、イエスの父は、永遠に生きておられるいのちの神です。

 

 地上の神々とは全く異なる、天の神です。この方以外に、エホバやヤーウェイを、名乗る神はいません。神の栄光は、御名とともにあります。神の御名に、悪魔も震え上がります。

 

 父なる神は、天から御子イエスに答えられました。

 「わたしは栄光をすでに現わしたし、またもう一度栄光を現わそう。」(ヨハネ12:28)

 

 神の子羊イエスをイスラエルに遣わされた父なる神は、神の御子イエスを通して多くのわざをユダヤ人たちに現わされました。病人は癒され、盲人は見えるようになり、耳しいは聞こえるようになり、悪霊に憑かれた者は解放され、死人は蘇りました。すでに、ユダヤ人たちは、イエスを通して、父の栄光を見ていたのです。天の神の栄光です。唯一のまことの神の栄光です。

 

 父なる神は、イエスに、「もう一度栄光を現わそう。」と仰せられました。これは、キリストとしての栄光です。生けるまことの神、父なる神から遣わされた神のひとり子としての栄光です。

 

 「わたしは、甦りです。いのちです。わたしを信じる者は、死んでも生きるのです。また、生きていてわたしを信じる者は、決して死ぬことがありません。」という、世に来られる神の子キリストの栄光です。

 

 イエスは、来るべき方、メシアです。

 かつて、五つのパンと二匹の魚を祝福して分け、男たちだけでも五千人いた(女、子どもを含めたら、もっと大勢の)ユダヤ人たちを満腹させたイエス。人々は、イエスのなさったしるしを見て、「まことに、この方こそ、世に来られるはずの預言者だ。」と言ったのです。

 

 群衆は、天からの声を聞きました。父なる神が、ひとり子イエスに答えられた声を聞いたのでした。それは、雷のようでした。

 ある人々は、雷が鳴ったのだと言い、ほかの人々は、「御使いがあの方(イエス)に話したのだ。」と言いました。

 

 神は、神のひとり子に、「キリスト・イエス」という、メシアの御名を与えられました。ナザレのイエスだけが名乗ることのできる、神のひとり子の御名です。

 

 神が、蛇の頭(悪魔)を裁くために造られた女の子孫は、「人の子」イエスです。「人の子」は、神のひとり子であり、蛇のかしら(悪魔)を踏み砕き、この世を支配する者(悪魔と悪霊)を追い出して、聖霊の器を創造する、主キリストです。

 

 神の御子イエスは、光として世に来られました。イエス・キリストの御名を信じる者が、だれも闇の中に留まることのないためです。イエス・キリストは、世を救うために来られたのです。

 

 父なる神は、十字架にかかり罪の贖いの血を流された神の子羊イエスを、メシア(救世主)として、世に現わされました。

 それは、十字架で死んだイエスを死から甦らせて墓から復活させることで、明らかにされました。そして、御救いのわざを成し遂げたイエスを、死から生んだ復活のからだで天に引き上げ、父のみもとに戻されました。

 

 天の神から遣わされた神のひとり子が、御救いのわざを完了して、天の神のみもとに引き上げられたのです。こうして、イエスが、天から来られた神の御子であることを、明らかにされました。

 

 イエス・キリストの御名は、唯一まことの神、天の神から権威を与えられた、救世主の御名です。唯一の主キリストの御名です。

 

 主キリストは、天の神から、永遠のいのちを授ける権限が与えられています。イエス・キリストの御名に、永遠のいのちがあります。

 

 イエス・キリストが地上から引き上げられると、イエス・キリストの御名を信じる人々をご自分のところに引き寄せられます。

 ナザレのイエスが、神の御子であり、救い主であると信じる人々、イエス・キリストの御名に御救いを見出す人々は、御名の栄光を受ける人々です。

 

 父の命令は永遠のいのちです。永遠のいのちは、神が世に遣わされた神のひとり子イエス・キリストの御名にあるのです。