ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

ヨシュアとカレブ


  モーセは神に従い、十二部族の族長である十二人の斥候をカナンの地に送り、その地を探らせるために遣わしました。

  彼らは、その地の見事な果実を持って、その地の偵察から帰って来ました。果実を見せて、その地は、乳と蜜が流れる豊かな地である事と、非常に大きく力強い民が住んでおり、町々は城壁を持つ町である事を報告しました。

  強い民と聞いて、民は動揺しました。

  カレブがモーセの前で、民を静めて言いました。「私達は、上って行って、そこを占領しよう。必ずそれが出来るから。」

  しかし、彼と一緒に上って行った者達は言いました。「私達はあの民のところに攻め上れない。あの民は私達より強いから。」彼らは、探って来た地について、イスラエル人に悪く言いふらしたので、全会衆は大声をあげて叫び、民はその夜、泣き明かしました。

  イスラエル人は皆、モーセとアロンにつぶやき、「私達はエジプトの地で死んでいたらよかったのに。この荒野で死んだ方がましだ。」「さあ、私達は、一人のかしらを立ててエジプトに帰ろう。」

  モーセとアロンは神にひれ伏した。すると、その地を探って来た者のうち、ヨセフ族エフライム族のヌンの子ヨシュアとユダ族のエフネの子カレブとは、自分達の着物を引き裂いて、イスラエル人の全会衆に向かって言いました。

  「私達が巡り歩いて探った地は、素晴らしく良い地だった。もし、私達が神の御心にかなえば、私達をあの地に導き入れ、それを私達に下さるだろう。あの地には、乳と蜜が流れている。ただ、主に背いてはならない。その地の人々を恐れてはならない。彼らは私達の餌食にすぎない。彼らの守りは、彼らから取り去られている。しかし、主が私達と共におられるのだ。彼らを恐れてはならない。」

  カナンの地の住民達の咎が満ちていたので、神は彼らを滅ぼすことを望んでおられました。イスラエルの民の頑なさに神は怒りを燃やされました。

  主は、モーセにいわれました。「この民はいつまでわたしを侮るのか。わたしがこの民の間で行ったすべてのしるしにもかかわらず、いつまでわたしを信じないのか。わたしは疫病で彼らを打ってしまおう。」

  「斥候の彼らは、わたしが彼らの先祖に誓った地を見ることがない。わたしを侮った者も、皆それを見ることができない。ただし、わたしの僕カレブは、他の者と違った心を持っていて、わたしに従い通したので、わたしは彼が行って来た地に彼を導き入れる。彼の子孫はその地を所有するようになる。」

  神は、民を再び荒野に向かわせました。

  主はモーセとアロンにいわれました。「わたしは生きている。民のつぶやきを聞いた。わたしは必ず民の上に、民がつぶやいた通りのことをしよう。この荒野で死体となって倒れる。わたしにつぶやいた者で、二十歳以上の登録され数えられた者達は皆、倒れて死ぬ。ただエフネの子カレブとヌンの子ヨシュアのほかは、あなたがたを住ませるとわたしが誓った地に、誰も決して入ることはできない。」

  「あなたがたが、かの地を探った日数は四十日であった。その一日を一年と数えて、四十年の間あなたがたは自分の咎を負わなければならない。こうしてわたしへの反抗が何かを思い知ろう。」

  こうして、その地をひどく言いふらした者達は、主の前に、疫病で死にました。しかし、かの地を探りに行った者のうち、ヌンの子ヨシュアとエフネの子カレブは生き残りました。

  神のことば通りに、荒野で彷徨う四十年の間に、二十歳以上で登録された者達は、皆荒野で死にました。

  生き残ったヨシュアがモーセの後継者となって、民を荒野から導き出してカナンの地に導き上り、攻め取ってイスラエル人はカナンの地に定住したのです。

  カナンの地を十二部族で分割し、神が彼らの先祖に約束された土地をイスラエル人が相続したのです。そして、イスラエルの神、主に従い通したカレブにはヘブロンの地が、ヨシュアにはエフライムの山地にあるティムナテ・セラフが相続地として与えられました。


 
  神は、従う者に恵み深い方です。しかし、神を侮る者は、用意されている祝福を失ってしまいます。

  聖書の神は、生きていて、人々のつぶやきを聞き、行いを見ておられます。彼らが心配する不信仰なつぶやきをそのまま彼らの上に返し、彼らの行いに応じて報いられます。

  神が用意された祝福の道を、神に信頼して歩んで行きたいものです。その先に、神の豊かな祝福と安らぎがあるのです。