ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

新しい契約 新しいイスラエル

 

 福音とは、良き知らせです。天から与えられた良い知らせです。神はこの福音の鍵をイスラエルに与えられました。

 

 神がイスラエルに与えた福音とは、天から救世主を遣わす、と言うことです。地上の者ではありません。神の力を持つ、天から遣わされるメシアです。永遠に生きる方です。

 

 時が至って、約束のキリストがイスラエルに遣わされました。預言者たちに語っておられた通り、その方はダビデの地ベツレヘムで処女から生まれました。

 

 キリストは、イスラエルに生まれましたが、人類の救世主でした。神が遣わされた贖いの子羊は、人類の罪の身代わりの生贄でした。神が贖いの子羊の血によって人類の罪を赦し、人を義とするためです。

 

 神の子羊の贖いの血によって義とされた人が、聖霊によって新しい創造を受けて永遠のいのちを得るためです。

 

 神は、御自分のひとり子を神の子羊イエスとして、イスラエルに与えられました。イエスは、神の祭司イスラエルに屠られる、贖いの子羊です。神の御子が父なる神に従って、屠られる神の子羊として、イスラエルに遣わされたのです。

 

 その時が来ました。心頑ななイスラエルは、民衆あげて、ナザレのイエスを十字架で処刑することを訴え、ローマはユダヤ人たちの声を聞き入れました。罪を見出すことのできないイエスを処刑することをためらいましたが、ユダヤ人の訴えが勝ちました。

 

 ナザレのイエスは、ユダヤ人の律法学者や長老や祭司長たちから、神を冒瀆する者として、十字架にかけられたのです。

 

 ローマの総督ピラトは、ナザレのイエスの十字架に、「ユダヤ人の王 ナザレのイエス」と言う罪状書きを掲げました。それを見て、ユダヤ人の主だった人たちは、「ユダヤ人の王」ではなく、「ユダヤ人の王と自称した」と書き換えることを要求しましたが、ピラトは応じませんでした。

 

 イエスが生まれたとき、「ユダヤ人の王」が生まれた事を知った博士たちが東方からやって来て、「ユダヤ人の王」を捜し、母マリアの腕で眠る幼子イエスを拝しました。

 

 ナザレのイエスは、異邦人から「ユダヤ人の王」と認められ、ユダヤ人からは神に罪を犯す者、処刑されるべき者として否定されました。

 

 こうして、神のご計画は実現したのです。神が、ユダヤ人の王を神の子羊イエスとして神の祭司イスラエルに遣わし、神の祭司イスラエルが生贄の子羊として、ナザレのイエスを十字架で屠ったのでした。

 

 ユダヤ人の王としてお生まれになった、処女マリアの子イエスは、「ユダヤ人の王」と言う罪状で、神の祭司イスラエルの手によって、生きたまま神に献げられました。神の子羊イエスは、シミも傷もしわもない、贖いの子羊でした。神の喜ばれる、完全な贖いの子羊だったのです。完全な贖いの血は、神を満足させました。

 

 古い契約は成就しました。イエスは弟子たちに新しい契約を与えられました。古い契約は、神の人モーセに天から与えられたものでした。それは、神が切り出した石に神御自身の指で書かれた律法です。

 

 天から遣わされた神のひとり子イエスが、古い契約の律法を全うされました。すべての律法を完全に守られたのです。イエスは、神の祭司イスラエルに生まれた律法の完成者でした。神は、ナザレのイエスにおいて、律法の契約を完成され、完成させたイエス・キリストを土台とする新しい律法を与えられました。

 

 イエスが与えた新しい律法は、天から下って来られた神のひとり子が、イスラエルを通して人類に与えたものでした。イスラエルは、神の祭司の国です。神の祭司イスラエルは、傷のない全き子羊イエスを屠り、永遠に効力のある贖いの血を注ぎました。

 

 イエスの与えた新しい律法は、ご自分の血を流して与えるものでした。神の御子の犠牲の上に与えられた律法でした。モーセの律法は、山から切り出した石に書かれたものでした。しかし、イエスの与えた律法は、人手によらず山から切り出された一つの石です。

 

 ダニエル書2:44,45に、こう書いてあります。

 「この王たちの時代に、天の神は一つの国を起こされます。その国は永遠に滅ぼされることがなく、その国は他の民に渡されず、かえってこれらの国々をことごとく打ち砕いて、絶滅してしまいます。しかし、この国は永遠に立ち続けます。

 あなたがご覧になったとおり、一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と青銅と粘土と銀と金を打ち砕いたのは、大いなる神が、これから後に起こることを王に知らされたのです。その夢は正夢で、その解き明かしも確かです。」

 

 神が天から遣わされた救世主イエス・キリストは、神が起こされる一つの国の王でもある方です。この国は、永遠に立ち続ける国です。人手によらず山から切り出された一つの石(天から来られたキリスト)が、世界に誇った栄誉ある、強い国々の支配を打ち砕きます。

 

 この世の闇の勢力は打ち破られ、これらの国々をキリストが絶滅されます。神が遣わされたキリストは、単に世の救い主ではなく、世を打ち破って絶滅される方です。また、キリストが王となる王国は、永遠に滅ぼされることがなく、永遠に立ち続けます。

 

 イエスが与えた新しい契約は、この永遠に立ち続ける新しいイスラエルと結ぶものです。新しいイスラエルは、死から甦り復活されたキリスト・イエスが、イスラエルの王となって治める国です。

 

 キリストの贖いの血により罪の赦しを受けて義とされた者に与えられる新しい契約は、キリストが与える御霊によって新しく生まれ、御霊によって新しく創造された、新しいイスラエルの国民を生み出します。

 

 古い契約は、アブラハム、イサク、ヤコブの子孫、血肉のユダヤ民族との契約でした。しかし、新しい契約は、キリストと契約を結び御霊によって生まれ変わった魂に与えられるものです。ユダヤ人も異邦人もありません。イエス・キリストを王とする国に集められる魂です。

 

 イエス・キリストは、イスラエルの王として、再び地上に来られます。キリストは、権力を誇った国々を絶滅して、悪魔のいない世を造り、武器の無い平和な世界を実現されます。

 

 その時、キリストが王となる国が、新しいイスラエルです。ユダヤ人の弟子たちと結んだ、新しい契約が成就します。信仰による人々が、信仰の人アブラハムとともに、祝福を受けます。アブラハムは神を信じ、それが彼の義とみなされました。信仰による人々こそアブラハムの子孫だからです。

 

  新しい契約の民である七つの御霊の教会が、新しいイスラエルです。                     

 新しいイスラエルは、滅びることなく、永遠に立ち続けるのです。