ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

地球の新しい誕生

 

 「被造物も、切実な思いで神の子どもたちの現われを待ち望んでいるのです。それは、被造物が虚無に服したのが自分の意志ではなく、服従させた方によるのであって、望みがあるからです。

 被造物自体も、滅びの束縛から解放され、神の子どもたちの栄光の自由の中に入れられます。

 私たちは、被造物全体が今に至るまで、ともにうめきともに産みの苦しみをしていることを知っています。」(ローマ8:19ー22)

 

 神の子どもが生まれ、神の国が生まれるために、被造物全体がアダムとエバの堕罪以来、今に至るまで、ともにうめきともに産みの苦しみをしている、と聖書は言います。

 

 神の子どもとは、悪魔の手に落ちて神のことばから外れ、神に敵対する悪魔の支配下に入った罪ある者、アダムとエバの子孫のことではありません。

 アダムの子孫は、神から離れた闇を持つ者です。真理の光を持たない暗闇の子です。真理の光がないから、何故生きているのか、どこへ行くのか、自分自身のこともわかりません。

 アダムの背き(神のことばに従わず、いのちの主から外れた)の罪により、被造物全体が光を失いました。すべてのものは、死んで朽ちるものとなったのです。いのちの主から外れ、死ぬものとなってしまいました。

 

 望みを持っても、望みがかなうのを見届けることなく、この世を去ります。どの世代の人もそうです。どの民族の人もそのとおりです。

 

 天地万物が創造される以前から、光と闇は敵対関係でした。闇は光を飲み込もうと戦っています。光とは、永遠の昔からおられる全知全能の神のこと。天地万物の創造主です。闇とは、神に敵対する悪魔です。天から追放された堕天使です。

 

 悪魔は、神が創造された被造物を破壊します。光を失わせ、闇に引きずり込みます。太陽系銀河が造られる以前に、すでに多くの銀河が造られていました。悪魔は神が造られた星団を破壊し闇に飲み込みました。星団はしぼみ、これがブラックホールになったのでは、と考えます。

 

 悪魔は創世の初めからおり、今に至るまで、神に反逆する破壊者です。神が、人を造れば、人を騙して神のいのちから引き離し、悪魔の死に閉じ込めました。

 

 被造物すべてが、闇の支配下に置かれています。いのちの神に造られたすべての被造物は、いのちの栄光の輝きを放っていたことでしょう。しかし、闇の王者につかまり、光を失い、いのちの輝きは朽ちるものに変えられました。

 

 死んだ被造物の中に、神のことばが放たれました。蛇の頭(悪魔)を踏み砕く女の子孫「人の子」が現われるという希望です。その希望は、光となって暗闇に輝き、「人の子」は、光を飲み込む闇の王者悪魔を滅ぼしてくださるのです。

 

 すべての被造物は、虚無に服しています。永遠の神の御前から永遠に去らなければならない、という救いようのない虚しさです。

 しかし、神は、一つの光を用意してくださいました。滅びの束縛から解放する女の子孫「人の子」を遣わしてくださるという、神のことばです。

 

 神のことばは、むなしく地に落ちることはありません。神のことばが成し遂げられるまで、神のことばは神とともにあり、神の約束とともにあります。神のことばは死なないのです。神が永遠に生きておられるので、神のことばも生きて働いているのです。

 

 神が用意された希望の光は、真理の光、永遠に輝く神のいのちの光です。生きている神のことばは、人の子となって世に現われました。神のひとり子が肉体を持ち、人の姿となって地上に来られたのです。

 それは、神の御計画によることです。神は、まず、ひとりの正しい人アブラハムを選び、アブラハムの子孫に、キリスト(救世主)を遣わすことを約束されました。そして、神と契約を交わすために、割礼を要求されました。

 割礼の民の中で、神は、ヤコブを選び、彼と契約を結ばれました。神は、ヤコブの子ら(イスラエル)と、神の民としての契約を結ばれました。イスラエルは、神の契約に従い、安息日と律法(神の掟)、割礼と祭りを守り、神の祭司の国民となりました。イスラエルは、神の民となり、創造主であられる神は、イスラエルの神となられたのです。

 

 祭司の国民は、聖書を授かり、神の御計画をゆだねられました。神の祭司の国民は神が用意された神の子羊イエスを屠り、罪の贖いのためのキリストの血を流しました。キリストの血は、アダムの堕罪以降の、死に定められた罪から解放してくださいます。滅びの束縛から解放してくださる、贖いの子羊の血です。

 

 神のことば(神のひとり子)は死を滅ぼし、悪魔を踏み砕き、神のことばに忠実な神の子どもを生んでくださいます。神は、死に定められた死人の罪を赦し、神のことば(神の御子イエス・キリスト)によって、神のいのちに繋がる生かす御霊を与えてくださるのです。

 

 生かす御霊によって、永遠のいのちを得た人々は、死からいのちに移されます。闇から救い出されて光の子とされるのです。

 

 火で滅ぼすことが定められたこの世で、被造物全体が今に至るまで、永遠の安息を得ようと、ともにうめきともに産みの苦しみをしています。

 地上に生まれたものが、再び新しい生を受けようと、産みの苦しみの中にいるというのです。すなわち、滅びの子らの世が終わり、新しく生まれた神の子どもたちの世が始まるのです。

 

 肉体を持つ人間の世が終わり、キリストの生かす御霊によって肉に死に、新しく生まれた神の子どもたちの世が始まります。

 その前に、産みの苦しみを地球は体験しています。母親が分娩室で苦しみ叫ぶように、地球は苦しみうめきます。

 母親は新しい命(赤子)が生まれることを知っているので、うめきつつも赤子と会う喜びを持っています。しかし、地球上の人々は、新しい世界の誕生を知らないので、闇を破る光の栄光を待ち望むことなく、闇の世界が破られる恐怖におののきます。

 

 闇の支配者に支配されていた地球から闇の支配者たちが取り除かれます。闇を愛した闇の子らは悲しみ恐怖に怯えますが、光を求める人々は神の約束の救いを待ち望みます。

 キリストを告白するクリスチャンとユダヤ人はすでに殺されており、神の契約を持つ残されたユダヤ人(イエス・キリストを知らないけれども、神のメシアを待ち続けるユダヤ人)が、約束のメシアを求め、神に叫びます。

 夜明け前、明けの明星が現われる頃が、最も暗いと言います。地球にまことの光の支配者(神の御子復活のキリスト)が現われる前が、地球の歴史上最も暗い時となります。

 

 神に敵対する暗闇の王者悪魔が地球を手中に収め、すさまじく恐ろしい年月となるからです。不法者の世となり、愛は冷め、犯罪の権化と化すからです。家族も友人も隣人もすべてが敵となります。自分自身も敵対者なのです。

 

 破壊者によって破壊された地球に、明けの明星が輝きます。平和の王イエス・キリストが、地上に来られるのです。

 死から甦られ、永遠に生きておられる栄光の主キリストがイスラエルの王となって世界を治められます。平和の王(神の御子キリスト)が平和の町エルサレムに平和の礎として着座されると、地球は生きるのです。

 地球は、神の子羊の血によって死の滅びから救い出された者たちを、また、神の契約の民ユダヤ人たちを復活させます。墓から甦るのです。神が、復活のからだをお与えになるからです。

 新しく生まれた地球には、復活のからだを与えられて永遠に生きる神の子どもと、神の都でいのちの木の実を食べて永遠のいのちを得る人の子と、女から生まれる人間がともに暮らします。つまり、霊のからだの人と、肉体の人間がともに地球上に存在するのです。

 

 肉体の人間の地球は、悪魔の支配下にあって争いが絶えませんでしたが、平和の王が治められる地球は、被造物全体が滅びの束縛から解放されて、神の子どもたちの栄光の自由の中に入れられます。

 

 すべてのものが草食となり、武器は農具に打ち変えられ、神と神の子どもたちが治める平和な世となるのです。

 

 「万軍の主(主キリスト・イエス)はこう仰せられる。『その日には、外国語を話すあらゆる民のうちの十人が、ひとりのユダヤ人のすそを堅くつかみ、「私たちもあなたがたといっしょに行きたい。神があなたがたとともにおられる、と聞いたからだ。」』と言う。」(ゼカリヤ8:23)