ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

御霊が引き上げられると

 

 「霊によってでも、あるいはことばによってでも、あるいは私たち(パウロや使徒たち)から出たかのような手紙によってでも、主の日がすでに来たかのように言われるのを聞いて、すぐに落ち着きを失ったり、心を騒がせたりしないでください。

 だれにも、どのようにも、だまされないようにしなさい。なぜなら、まず背教が起こり、不法の人、すなわち滅びの子(反キリスト)が現われなければ、主の日は来ないからです。」(テサロニケ第二2:2,3)

 

 およそ二千年前、使徒たちの時代に、すでに、世の終わりが来たかのようなデマの噂が飛び交っていたようです。

 

 しかし、パウロは言います。

 「だまされないようにしなさい。」

 なぜなら、世の終わりが来るためには、順番があるからです。

 

 キリストが再び地上に戻って来られて、神の世(キリストが支配される千年王国)が始まる前に、この世の闇の支配者たちの抵抗と反逆の期間があります。闇の子らは、光を消すことに全力を尽くします。

 

 まず背教が起こります。イエス・キリストを信じている人々の中で、信仰を棄てる人々が多く起こるようです。また、真実な神の聖徒を迫害して、闇の勢力に加担する人たちも大勢現われます。

 

 また、隠れていた闇があらわになります。

 不法の人(神を憎み、神を冒瀆する者)、すなわち滅びの子(反キリスト)が現われなければ、主の日は来ないからです。

 

 「彼(反キリスト)は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、(すべての神々、人々に礼拝され崇められるものを憎んで)その上に自分を高く上げ、神の宮(生けるまことの神の神殿))の中に座(反キリストの王座)を設け、自分こそ神であると宣言します。」(テサロニケ第二2:4)

 

 この滅びの子は、神を恐れない者です。

 大水の滅びから救い出してくださった神に反抗し、人の力を神に現わそうとして、天に届く高い塔(バベルの塔)を建てようとした二ムロデ(ノアの子ハムの子孫二ムロデ)の心を持つ者です。

 

 彼(滅びの子〈反キリスト〉)に力を与えるのが、神に反逆して天から追放された闇の王者である悪魔です。

 悪魔は自分が神になりたいのです。王座に着く主権者になりたいのです。悪魔は、神格を持つ神のひとり子を妬み、神に逆らう反逆者です。

 

 悪魔は、神のひとり子であるイエス・キリストを憎みます。キリストのしもべたちを憎みます。

 滅びの子は、キリストを憎む悪魔の子です。反キリストは、世界を治める主キリストの王座に着くことを切望して、世界を支配する闇の支配者です。

 

 神は、三年半の間、反キリストに世界の支配権を許されます。

 闇の子反キリストは、光を憎み、光の子キリスト者を滅ぼし、神の聖徒であるユダヤ人たちを殺戮します。

 

 世の終わりには、必ず、滅びの子が現われます。反キリストが立ち、世界を支配するのです。

 

 世界を支配する滅びの子が立っていないならば、まだ、世の終わりは来ていない、ということになります。

 反キリストはあの人か、この人か、と噂されますが、本当に滅びの子が現われたならば、すべての人にわかるのです。

 

 パウロは言います。

 「あなたがたが知っているとおり、彼(反キリスト)がその定められた時に現われるようにと、いま引き止めているものがあるのです。(反キリストが現われる時は、神が定めておられるようです)

 不法の秘密(神に敵対し、破壊と滅びのわざを行なう滅びの子たち、すなわち、神のひとり子キリストに敵対し、キリストを殺した闇の子たちが、キリスト者〈イエスの弟子たち〉を撲滅する働き)はすでに働いています。(使徒の時代から、反キリスト主義は、ユダヤ人の間にありました)

 しかし今は引き止める者があって、自分が取り除かれる時まで引き留めているのです。(滅びの子〈多くの魂を滅ぼし、世界を破壊する反キリスト〉が出現するのを、引き止めている存在は、神が世に遣わされた助け主、世に光を与える「真理の御霊」です。真理の御霊を宿す「聖霊の器〈キリストに忠実なしもべ〉」の祈りと、神のことばによって、世は保たれています。ひとりでも多くの魂が救われるのを望まれる神は、時が来るまで、反キリストを世に出されません)

 その時になると、不法の人が現われますが、主は御口の息をもって彼を殺し、来臨の輝きをもって滅ぼしてしまわれます。(反キリストの支配は、三年半の間と定められています。その期間が満ちると、キリストが来て、彼を滅ぼされます)」(テサロニケ第二2:6-8)

 

 不法の子の到来は、サタンの働きによります。ユダヤ人の中に、反キリストの霊を入れたのも悪魔です。

 

 反キリストは、悪魔の働きをするのです。

 

 悪魔は、異邦人の中にキリストを信じる者が現われると、異邦人のキリスト者の中に、神の民イスラエルを妬む反イスラエル主義や、神の御救いの約束を持つユダヤ民族を憎む反ユダヤ主義の思想を入れました。

 

 悪魔は、破壊者です。ユダヤ民族の中に、また、ユダヤ教徒の中に反キリスト主義の思想を入れ、また、キリストを信じるユダヤ人に対する敵意の感情を入れて、分裂させます。

 キリスト教会の中に、反イスラエル、反ユダヤ主義の思想を入れて、キリストのからだを分裂させます。

 

 悪魔は、滅びの子たちに、反キリスト、反イスラエル、反ユダヤ主義の思想を送り、ユダヤ人に、イスラエルに、また、キリスト者に、神の民に敵対させます。

 こうして、世界を神に敵対させ、滅びに向かわせるのです。

 

 神は、反キリストが現われる時を定めておられます。

 「定められた時、日、月、年のために用意されていた四人の御使いが、人類の三分の一を殺すために解き放された。

 騎兵の軍勢の数は二億であった。私(ヨハネ)はその数を聞いた。」(黙示録9:15,16)

 

 人類の最終戦争「第三次世界大戦」は、神の定められた時に起こるようです。

 この神が定められた時に、滅びの子が現われるのです。

 

 イエスは、終りの時代には、偽預言者が多く起こって、多くの人々を惑わすことと、不法がはびこるので、多くの人たちの愛は冷たくなる、と言っておられます。

(悪い者が支配し、善が悪、悪が善となる時代には、神がわからなくなる人たちが多く出て来て、信仰を失うのでしょう)

 

 「しかし、(どんな時代になろうとも、どんな社会になろうとも)最後まで耐え忍ぶ者は救われます。

 この御国の福音は全世界に宣べ伝えられて、すべての国民にあかしされ、それから、終わりの日が来ます。」(マタイ24:13,14)

 

 すでに、使徒の時代から悪魔の働きは始まっています。キリストを殺した反キリスト主義は、終わりの時代にますます力を持つことでしょう。

 しかし、今は、イエス・キリストの御名によって遣わされている「真理の御霊」が地上にいて、悪魔の働きを抑えています。聖霊を宿す人たちの祈りと神のみことばの宣言によって、不法者が勢力を持たないように引き止めているのです。

 

 終わりの時に世界を救うために働く、ふたりの証人と十四万四千人のユダヤ人に油が注がれると、神は、神に忠実な聖霊の器を天に引き上げられます。

 ある人たちは殉教死し、そして甦って天に引き上げられます。その後、ある人たちは、生きたまま天に移されます。

 

 「真理の御霊」によって祈り、啓示を受けていた人たち、神のいのちを持つ人たち、神のみことばを心に持ち、御霊に聞き従った光の子らは、世からいなくなります。

 聖霊は、御霊の器とともに、天に引き上げます。クリスチャンの中に留まることはありません。

 聖霊は、自分が天に引き上げられて地上から取り除かれる時まで、反キリストの出現を引き止めていました。

 

 聖霊が世から引き上げられると、世の人たちは闇の中です。

 旧約時代のように、神に油注がれた者の上に、聖霊が留まられます。

 ふたりの証人と、また、世界宣教を完成する十四万四千人のユダヤ人とともに真理の御霊はおられます。真理のことばは、彼らから出るのです。

 

 旧約時代、預言者が神からことばを預かって民に語り、民は預言者のことばを聞いて、神を知りました。「ユダヤ人の時」もそのようになるでしょう。

 

 ふたりの証人、十四万四千人のユダヤ人のことばが、いのちの道の足のともしびとなり、いのちの光、いのちのパンとなるのです。

 聖霊が引き上げられると、啓示の光を失って、イエス・キリストを信じていた人も真理を捜し求めます。聖書を読んでも理解できず、祈っても答えはなく、神の声を聞く事も、神のわざを見ることもできないからです。

 

 旧約時代の終わりに、イエスは「真理の光」として来られました。

 ユダヤ人は、イエスを見て神の栄光を見、イエスのことばを聞いて真理を知らされました。

 新約時代の終わりには、イエスとひとつ心の十四万四千人のユダヤ人の宣教のことばが、世の光です。ふたりの証人の預言と奇蹟としるしが神の栄光です。

 彼らのことばを信じて、聞き従う人たちは、御救いを得るのです。真理のことばから離れず、最後まで耐え忍ぶ人たちは救われます。

 

 イエスは、約束しておられます。

 「わたし(イエス・キリスト)は、あなたがた(イエスを信じる人々)を捨てて孤児にはしません。わたしは、あなたがたのところに戻って来るのです。」(ヨハネ14:18)

 

 イエスの約束どおり、イエスが世から去った後に神は、もうひとりの助け主を遣わしてくださいました。真理の御霊です。キリストのしもべは、御霊に聞き従って救いを受けました。

 

 聖霊の器が引き上げられて、世から聖霊が取り去られても、神は、真理を告げる器を地上に残しておられます。「ユダヤ人の時」に働く、神に召されたユダヤ人たちです。

 それは、ふたりの証人と、十四万四千人のユダヤ人です。

 神は、地上に残されたキリスト者たちを、孤児にはされません。神に召された彼らの語る真理のことばに聞き従うならば、救われるのです。

 

 新しい天に住む、子羊の婚宴に招かれる聖徒の数は多くありません。

 新しい地に住む、神の子どもたちの数は多いのです。