イエスは言われました。「わたしが神の御霊によって悪霊どもを追い出しているのなら、もう神の国はあなたがたのところに来ているのです。」(マタイ12:28)
イエスは弟子たちの前で、水を葡萄酒に変えられました。
イエスは目の見えない者の目を開き、耳の聞こえない者の耳を開きました。彼らは、目が見えるようになり、耳が聞こえるようになったのです。
イエスは足なえを癒し、病人を癒されました。
イエスは罪人に罪の赦しを宣言し、罪の縄目を解き放ちました。
イエスは死人を甦らせました。
イエスは神の霊によって悪霊どもを𠮟りつけ、悪霊を追い出しました。悪霊に縛られていた者が、正気に戻りました。
イエスが地に遣わされて、地上に神の国が訪れたのです。弟子たちは、神の国を味わいました。ユダヤ人たちは、神の国を目撃しました。地上で、神の御業が現れたのです。それは、神の国の御業でした。
神の国には、悪霊はいません。神の国には、病いも、欠けも、死もありません。罪の無い完全な国です。神の義によって立つ聖なる国です。永遠に堅く立つ国です。肉なる者は入ることができません。
神の義の国から、肉なる者の地に、神のひとり子が遣わされました。神の御子は、肉なる姿をとって、肉なる世界に来られました。
バプテスマのヨハネから、水のバプテスマを受けると、天が開け、神の御霊が鳩のように下って、イエスの上に来られました。そして、神の霊によって、神の国の働きが始まりました。キリストの公生涯と呼ばれる三年半の期間が始まったのです。
イエスは、癒しや解放や死人の甦りなどによって、ご自分が神に遣わされたキリストであることを証されました。人々は驚きました。今まで見たことも聞いたこともない、不思議なわざが目の前で起こるのです。イエスのうわさは広まりました。
ある者たちは、イエスは神のわざを行なう神の人だと言い、ある者たちは、イエスは悪霊の力でわざをしていると言いました。
パリサイ人や長老、祭司長など、町の有力者たちが、イエスを疑いました。神の名を語る悪霊どものかしらだと言いました。イエスのわざは、悪霊の力によってしているとしました。多くのユダヤ人は、有力者たちの意見を尊重しました。自分たちが目撃したものを怪しんで、有力者たちの言葉に従いました。
自分を愛する彼らは、有力者を敵に回したくなかったのです。彼らは、神よりも鼻から息をする人を恐れ、神の国を求めず、この世を愛する者たちです。
イエスが栄光を受ける前のことです。イエスに遣わされた七十人の弟子たちが喜んで帰って来て、こう言いました。「主よ。あなたの御名を使うと、悪霊どもでさえ、私たちに服従します。」
イエスは言われた。
「わたしが見ていると、サタンが、稲妻のように天から落ちました。確かに、わたしは、あなたがたに、蛇やさそりを踏みつけ、敵のあらゆる力に打ち勝つ権威を授けたのです。だから、あなたがたに害を加えるものは何一つありません。
だがしかし、悪霊どもがあなたがたに服従するからといって、喜んではなりません。ただあなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい。」(ルカ10:17-20)
これは、イエスが死から復活して、天に上り、弟子たちに聖霊をお与えになる前の出来事です。イエスの御名の権威によって、神の霊が働かれたのです。
イエスは、エデンの園で、神が蛇に「彼は、おまえの頭を踏み砕く」と言われた、女の子孫であり、ダニエル書7:13にある、「年を経た方(神)が、永遠の主権と光栄と永遠に立ち続ける国を与えられる、人の子のような方」なのです。すなわち、イエスが、世を救うために神に遣わされたメシアなのです。
イエスは、十字架のわざで、サタンの支配力を踏み砕かれました。蛇の頭は、砕かれたのです。主であるイエスがサタンを砕き、イエスの弟子たちは、蛇やさそり、悪霊どもを踏みつけ、敵のあらゆる力に打ち勝つ権威をイエスから授けられました。
弟子たちがイエスの御名を使うと、悪霊どもが服従し、サタンが天から落ちました。イエスは、弟子たちに御名の権威を授けたのです。イエスが神から油注がれたキリストなので、イエスの御名に権威があるのです。
人々は、イエスが神の御子だと信じられませんが、サタンも悪霊どもも、ナザレのイエスが神の御子であることを知っています。肉の姿をしていても、わかるのです。
イエスに出会うと、悪霊に憑かれた人は、わめきました。「神の子よ。いったい私たちに何をしようというのです。まだ定められた審判の時ではないのに、もう私たちを苦しめに来られたのですか。」(マタイ8:29)
会堂にいた、汚れた霊に憑かれた人が叫んで言いました。「ナザレの人イエス。いったい私たちに何をしようというのです。あなたは私たちを滅ぼしに来たのでしょう。私はあなたがどなたか知っています。神の聖者です。」(マルコ1:23,24)
汚れた霊に憑かれ、墓場に住み着いている人が、イエスを遠くから見つけ、駆け寄って来てイエスを拝し、大声で叫んで言いました。「いと高き神の子、イエスさま。いったい私に何をしようというのですか。神の御名によってお願いします。どうか苦しめないでください。」(マルコ5:2-7)
悪霊どもも神はおひとりだと信じて身震いしている、とヤコブ2:19にあります。サタンも悪霊どもも、ナザレのイエスが神の御子であり、イエスが自分たちを滅ぼすことを知って身震いしているのです。
イエスを信じる者たちに与えられるものは、神の霊である御霊と、主イエス・キリストの御名の権威です。天に名が書き記される者に与えられる権威です。
神の国と神の義とをまず第一に求めなさい。神の国は御霊とともにあるのです。御霊を受けた弟子たちは、イエスがされたと同じわざを行ないました。それは、イエス・キリストの御名によってなされました。『使徒の働き』の書簡に書かれています。